ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

ドラム防音ルームDIY


構想3年ドラマ防音ルーム計画

かれこれ3年くらい前になりますが、自宅の屋根裏に防音ルームを作りました。ドラムの練習をするための2畳ほどの小さな防音室です。
いくら田舎とは言え、自宅でドラムを叩けばご近所さんが飛んできます。かといってドラムの練習のために機材を運んで場所を借りてというのも、多分そのうちやらなくなりそうな気がしたので、なんとか防音室を作りたかったんです。


業者に頼むと高くつくので、例によって自作することにしました。
2階の天井の点検口から屋根裏に上がれるようにはしごをつけ、そこから材料をせっせと屋根裏にあげ、まず天井裏全体に床をはります。点検口の間口が50センチほどなので、材料はすべて下の作業小屋でカットしてから運び上げては、少しずつ施工していきます。
床下、というか天井裏には古い断熱材が敷かれていますが、これを機に断熱材も新たに買い足し、床下と屋根の裏側に追加しました。これで少しは真夏の熱気がましになることを期待して。それと、ついでに天井裏にトイレ用の換気ファンとダクトを設置して、天井裏にこもる熱気をダクトを通じて外に排出する計画です。


第一段階、床と断熱材、換気ファンまで施工できました。点検口部分にも厚めのハッチを作って、ハシゴを昇り降りしたあとハッチを閉められるようにしました。ハシゴはちょうど部屋の隅っこなので、そのまま常時ハシゴをかけたままにしておくことにします。
次は防音室の壁を作っていきましょう。

屋根裏の高さが最大で160センチしかないので縦方向にはあまり厚い防音対策は行うことができません。
その分、防音室の周りに30〜40センチ空間を設けてもう1段壁を作り、二重防音壁の構造にします。階下への防音と防振対策、横方向へは二重防音壁、そして防音室の上部は断熱材と石膏ボードと遮音シートの3層構造、というかっこうです。


防音の基本は質量なんですね。重い素材ほど防音性も高いわけです。分厚いコンクリート壁とか。
ただ、コインシデンス効果といって、どんな素材を使っても、ある周波数帯の音は通ってしまいます。だから、色々な素材を組み合わせて、それぞれのコインシデンス効果による音の抜けを補い合う必要があります。


石膏ボードの壁で断熱材を挟み、中と外に遮音シートを貼り、同じ層をもう一つ作って、内側にはさらに有孔ボードを貼って吸音性を高めていきます。

スキマはシリコンシーラントで埋めて機密性を高める一方、酸欠防止に壁の隅にトイレ用のファンを設置して、ロスナイ方式で空気の取り込みと排出口を直結させないようにしながら、できる限り遮音性と循環を両立させるように工夫しました。


ドアは2×4材で枠を組み、壁と同じく石膏ボード、断熱材、遮音シートのサンドイッチ構造にして、ドアが閉まったときの密閉性を高めるために、ドアノブをグレモン錠を真似た構造にしました。家にあった古い滑車とL型のボルトを使って、ドアが閉まった時に滑車の動きでドアとドア枠がググッと密着するようにしました。




防音室制作に使った材料はざっと以下のような感じです。
木材〔角材、ツーバイ材、胴縁などなど〕約5000円
コンパネ、ベニヤなど屋根裏の床作り用 約5000円
石膏ボード 防音室の基本壁材9.5ミリ厚15枚 4500円
遮音シート 10メートル巻 3巻 15000円
グラスウール 密度10k 100ミリ厚 10坪分 約11000円
トイレファン 2000円
有孔ボード 3×6判 5ミリ孔25ミリ間隔 5枚 9000円
自転車チューブ 27インチ3本 3000円
セルスポンジ ドラムの下に敷く 400×1000 2500円
シリコンシーラント 5本 1000円
コルクジョイントマット 18枚 4000円
ネジその他金物 1000円

トータル約65000円


自転車チューブは、ドラムを置くベースのコンパネの下に、膨らませたチューブ2本を敷いて振動を抑えるためのものです。防音だけだと、どうしてもバスドラのフットペダルの打撃音の振動が階下に伝わってしまうので、このチューブ方式にしてみたのですが、効果大でした。



現場合わせで何やかんや苦労しながら、楽しみながら、コツコツと約1ヶ月半ほどで完成しました。週末作業での1ヶ月半なんで、実質は10日ほどの作業だったと思います。

苦労したことは、材料がそのままの大きさでは点検口から入らないこと。それが一番の苦労でした。
石膏ボードもコンパネも3×6サイズを4枚に切って、屋根裏へせっせと運んで、の繰り返し。


あと、遮音シートや石膏ボードを片手で天井に持ち上げて固定しながら、片手でビスどめ固定していくのはかなりキツかったです。

自作防音ルームの遮音性能はいかに

さて、肝心の防音性能は?というと、スネアとシンバル、バスドラの音は完璧に遮音されました。

タムとフロアタムは、アタック音は遮音されましたが、残響音がかすかに残ります。


ためしに家の外に出て、うちの奥さんにドラムを適当に叩いてもらい漏れてくる音を確認すると、タム類の残響音は、道を通る車の音や風にそよぐ木の葉の音に交じると消える、くらいのレベルでした。
風がやむと、遠くでかすかにトーン、トーンと鳴るのが聞こえます。隣の家の中で聞こえているかは分かりませんが、自分の家の1階ではドラムの音は全く聞こえないので、多分大丈夫でしょう。2階のドラムセットの真下では、部屋で音楽をかけている、くらいの音がします。振動はほとんどしません。

自作の防音室としては、予想以上の防音結果が出ました。


もう少し予算にゆとりがあれば、屋根裏全面を遮音シートで囲ってしまえば、さらに防音が高まるかもしれませんが、それをやる費用と労力のわりに、今以上劇的に防音効果が上がる気がしません。たぶん、遮音シートをいくら貼ってもコインシデンス効果のためにタムの残響音は残るんじゃないか、と思います。遮音シートが案外コストがかかるので、お金かけてもそれくらいの改善なら、今でも十分かなと思います。


実は、制作の途中段階で何度か奥さんにドラムを叩いてもらい外で確認したのですが、防音壁1層だけの段階と、二重壁にしたあととでは明らかに防音性が変化しました。やはりポイントは空気層だったようです。

ちなみに、1枚ずつの壁の構成は、石膏ボード9.5ミリ+遮音シート1.2ミリ+グラスウール10kの100ミリです。
空間を設ければ、安い素材でも十分な遮音性が得られることがわかりました。


今回は少しマニアックなお話しでした。もし、ご自分で防音室制作を考えておられる方がおられましたら、参考になれば幸いです。



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