ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

ハイエースで車中泊 ナローボディの可能性と限界を考える


ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
今回はナローボディのハイエースで家族4人で車中泊を楽しむ上での可能性と限界について考えてみたいと思います。

ハイエースで車中泊できる最大人数は何人か?

うちはブログタイトルの通り、ハイエースのナローボディで家族4人で車中泊を楽しんでいます。つまりナローでも4名就寝は可能です。ただこれは大人2人+子ども2人の計4人だからです。大人だけの場合は3名が限界だと思います。これがもしワイドボディなら、室内幅が170センチあるので慎重170センチ以下の大人なら横方向に寝ることができるので、大人4人が就寝できます。ナローボディは横幅が155センチしかないので、横向きに大人が寝ることは無理なんですよね。

ハイエースベースのキャンピングカーや車中泊仕様のコンプリートモデルは、多くの場合、就寝定員が2名に設定されていると思います。それ以上の就寝定員を確保しようと思うとアメニティを削らなくてはなりません。
しかもそれはワイドボディやハイルーフ車での話し。ナローボディではそもそも無理があるということなのでしょう。



ハイエースのナローボディ(いわゆる標準サイズ)は、一般人からすると「大きな車」というくくりで見られますが、ハイエース乗りからすれば「一番小さい車」になります。
奥さんがハイエースを運転していると、よくすれ違う車の人が2度見していくらしいのですが、女の人がハイエースを運転しているとやはり「大きな車をよく運転しているなあ」と珍しがられるようです。でも乗っている本人からするととてもコンパクトな乗りやすい車という感覚なのですが。
サイズ的には、全長も横幅も車高も、全てにおいてハイエースのカテゴリーの中では最小サイズであり、だからこそナンバープレートは小型貨物の4ナンバーなわけです。


4ナンバーの車は、ハイエースにせよキャラバンにせよ小型貨物車(つまり普通車の)サイズ枠ギリギリで作られているので、ある意味、車両感覚はつかみやすいと思います。ただ、ノーマルですでに4ナンバーギリギリのサイズなので、外見に少しでも変化があると車検上は1ナンバーに変わってしまいます。

以前、カスタムショップで、標準ボディのハイエースに木目調のシートを貼ったカスタムを見かけました。シートの周りを厚さ5ミリくらいの枠飾りをしただけで、ボディは標準サイズなのになぜかナンバーは1ナンバーでした。ショップの人に聞くと、枠飾りの厚み5ミリが左右で1センチだけ出っ張ることで、これが4ナンバーの全幅の基準をほんの少しだけ超えるため、1ナンバーになるそうです。
1ナンバーになると、車検上は大型貨物つまりダンプカーと同じくくりになります。


4ナンバーのメリットは税金の安さと、高速代の安さ、それと運転のしやすさにあります。


1ナンバーになると高速代が大型トラックと同じ扱いになり、普通車のカテゴリーでありながら大型並みの料金がかかってしまいます。これはかなりの負担です。普通車に比べると高速代はざっと1.5倍に跳ね上がります。


一方、同じハイエースでも、ハイエースワゴンの場合は3ナンバーになります。いわゆる大型乗用車ですね。こちらは高速代は乗用車扱いですし、車検も2年車検です。

ハイエースには4ナンバー(小型貨物)、1ナンバー(大型貨物)、3ナンバー(大型乗用車)はありますが、5ナンバー(普通乗用車)というのはなく、ハイエースのワゴンを選ぶ場合、全て3ナンバーとなります。
この3ナンバーのハイエースワゴンには、さらに大きく4つのタイプがあって、一つはワイドボディ+ミドルルーフタイプ、次に屋根が高いハイルーフ、そして、全長が長いスーパーロング、最後にその両方をあわせ持つハイルーフスーパーロング(高さも長さも両方とも大きい)になります。どのワゴンも横幅はワイドボディとなり、4ナンバーの標準ボディより約20センチほど横に広くなります。
このように、ハイエースのワゴンを選ぶと、いずれにしても車格(特に横幅)がかなり大きくなってしまいます。このことが、うちがあえて4ナンバーを選んだ理由の一つです。


バンコンと呼ばれるカスタムの車中泊やキャンピング仕様のハイエースは、3ナンバーのワゴンタイプをベースにカスタムしているケースが多いと思います。3ナンバー登録のままのバンコンもあれば、10人乗りを維持しながらギャレーとかを設置して8ナンバーで登録したりしている場合もありますね。

こういうバンコンもいいなとは思いますが、車格が随分大きくなることに加えて、何しろ高い(笑)
また、各社からいろいろなタイプのバンコンが発表されていますが、なかなか自分たちの使い方にピッタリ合うカスタムが見つからないということもあります。基本的に2人での使用を標準にしているバンコンが大半なんです。

なかなか4人家族で使えるバンコンは見つかりません。4人分の就寝スペースを確保しながら一定のアメニティを装備することに限界があるんだと思います。なので私たちは、なるべくシンプルなベース車両を買って、自分たちでカスタムしていくという方法を選びました。



意外と運転に気を使うワイドボディの横幅

さて、もう一つ、わが家がナロー(標準サイズ)を選んだ理由が、「奥さんが日常的に運転する」ということでした。
わが家では、保育園の送り迎えや仕事への往復など、平日は基本的に奥さんの方がハイエースを使うんです。
奥さんの日常使用にワイドボディやハイルーフというのはさすがにちょっと大きすぎて、取り回しが大変だという抵抗感があったのでした。


4ナンバーのナロー(標準ボディ)に対して、1ナンバーや3ナンバーのハイエースは横幅がナローより約20センチほど幅広くなります。ワイドボディのハイエースに乗って運転席から見ると、ちょうどカーナビ1つ分ほど横に広くなり、左のミラーが外側に張りだすように感じます。運転感覚というのは、運転席のシートを基準に身体で感じるものですから、ワイドボディに乗ると左のミラーが気になって、運転する際どうしても左のミラーを当てないようにその分中央車線の方に車が寄っていく感じになります。

1ナンバー、または3ナンバーのハイエースの場合、ボディは「ワイドボディ×ミドルルーフ」が基本となり、さらに「ワイドボディ×ハイルーフ」や、「ワイドボディ×スーパーロング」、あるいは最も巨大な「ワイドボディ×ハイルーフ×スーパーロング」といった選択肢があります。
室内空間はどれもナローと比べるとかなり広くなりますが、その分車両感覚は普通車のようにはいかず、特に「ワイドボディ×ハイルーフ×スーパーロング」ともなると、もはやマイクロバス並みになってしまい、運転はかなり難しく、普段使いの街乗りではとても気を遣うと思います。


また、3ナンバーのハイエースは標準だと10人乗りになるのですが、それはすなわちシートの数も10個あることを意味します。車検上、自分で勝手にシートを外すことはできないでしょうから、床下収納などを工作するのは実質的に困難です。また、ハイエースワゴンの後部シートはフラットに倒せないので、そのままではベッドキットの工作も難しいでしょう。そうなると、車中泊のために広い空間をDIYで確保するのは案外難しいかもしれません。自分でシートを取り外したりして仮にDIYでカスタムできたとしても、いわゆる違法改造となり、車検のたびに元に戻さないといけないので、それも面倒です。
かといって、カスタムショップでシートアレンジを頼んで構造変更した形で車検を通してもらうとなればかなりのコストがかかります。
カスタムショップでベッドキットや内装のカスタム、電気関係やギャレー、収納などを合わせると車両価格合わせ500〜600万円は当たり前にかかってしまうかもしれません。


もしどうしてもワイドボディのハイエースが良ければ、3ナンバーではなく1ナンバーを買うか、あるいはもう一つの選択肢として、福祉車両(8ナンバー)を買う方法があります。福祉車両の8ナンバーの中古を手に入れれば、それをベースにして色々とDIYできるかもしれません。ただし、8ナンバー福祉車両の中古というのは、老健施設の送迎などで長年いろいろなスタッフに使い倒された払い下げ車両なので、車両やエンジンのダメージが少し心配ですし、この手の車であまり値段が安いのは、事故歴がある可能性もあるので、要注意です。
また、福祉車両の払い下げは任意保険も通常より高くなるようですから、その点も注意が必要だと思います。

標準(ナロー)ボディの良さ

そんなこんなで、うちは結局、ナローボディ(標準サイズ)のハイエースにたどり着いたわけです。ブログのタイトルにもなっていますが、ナローボディでも家族4人で快適なバンライフを送ることができます。決してやせ我慢しているわけではなく、工夫とアイデア次第で快適なバンライフは可能です。


うちのハイエースは3型の3000ccディーゼル4WD、グレードはスーパーGLじゃなくDXです。
DXにしたのは、ライトイエローのボディカラーで黒バンパーが欲しかったので、そうなるとDXしか選択肢がなかったというわけです。
ただ、DXについているシートはお世辞にも快適とは言えません。普段使いならまだしも、長距離の移動になるとシートのクッション性はかなり重要です。うちは、購入時に前後ともSGLのシートに換装してもらいました。
うちのように家族4人でバンライフされる場合は、乗り心地に関してはSGLを選ぶほうがいいと思います。
乗り心地という点では、シートに加えてタイヤも影響があります。いわゆるノーマルタイヤは扁平率80%だと思いますが、65%くらいの扁平率にするとクッションがかなり悪くなり突き上げを感じるようになります。ハイエースのノーマルは215-80R15ですが、どうしても16インチホイールにしたい理由やこだわりがないなら、できれば15インチのままのほうが良いと思います。それくらい乗り心地が変わります。


標準ボディのいいところは、まずやはり運転のしやすさでしょう。車両感覚は中途半端なミニバンよりもよほど運転はしやすいと思います。それと、最小回転半径は乗用車より小回りがききます。これにはビックリしますが、ホントにくるくる回ります。


私は仕事場の車がハイエースのワイドを使っているのですが、ワイドと標準を乗り比べた時に、サイズ的にはたった20センチほどの差なのですが、ナビ1つ分くらいの幅の違いが、運転にかなりの心的負担をかけることを実感します。
私は大型免許も持っていて、マイクロバスを運転する機会もたまにありますが、一般人からするとワイドボディのハイエースは感覚的にはマイクロバスと同じくらい大きく感じるのではないでしょうか。

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sleepysheep-zzz:20220510191258j:image

町中や狭い住宅街でワイドボディを日常的に取り回すのは、やはり少し負担が重いと思います。仕事場のワイドボディのハイエースがしょっちゅう左の後ろを電柱にこするという小さな事故があるんですね。やはり普通車に乗りなれた人にとって20センチの横幅の差は大きいということだと思います。

駐車場にしても、おそらくワイドボディだとほぼ両側の白線いっぱいになることでしょう。自分たちの出入りだけじゃなく、左右に停めた車にとってもワイドボディの圧迫感は大きいと思います。


日常生活における使いやすさという点が、標準ボディの大きなメリットです。ナローボディが私たちのジャストサイズなのです。

標準(ナロー)ボディの限界

もちろんいいところだけじゃなく、標準ボディには限界もあります。

ワイドボディなら車内幅が170センチほど取れるので、身長170くらいまでの人なら車内を横向きに使って寝ることができますが、ナローボディの場合、車内の横幅は155センチほどしかないので、大人が横向きに寝るのは無理です。
ナローボディで横方向に寝るとしたら身長150センチくらいまでが限度。150センチといえば、よくて中学1〜2年くらいまででしょうか。

では、縦向けで考えた場合はどうでしょう?
助手席と後席シートを倒してハイエースの前側にフラットなスペースをこしらえると、横1m×縦2mほどのスペースが確保できます。横1mあれば大人1人なら余裕ですし、子どもなら足あわせで上下反対向けに横になれば、何とか中学生くらいまでなら2名が寝られるのではないかと思います。
縦に使っても横に使っても、就寝できるのは子どもたちが中学生くらいまで。そのあたりまでが、わが家のナローボディハイエースで車中泊できる限界と思っています。これは、身長の面だけでなく、子どもたちが家族一緒に車中泊の旅についてきてくれるのもその頃が限度ではないかという気がします。


ちなみに、ハイエースの車内での就寝を考えると限界がありますが、ハイエースの屋根にルーフテントを設置すれば、屋根の上に1~2名寝ることができますから、ナローボディの可能性はさらに広がります。
sleepysheep-zzz.hatenablog.com




現在、うちのハイエースは走行10万キロを少し超えたところです。今から10年後、走行距離はどれくらい伸びていることでしょう?
できれば、35万キロとか40万キロくらい走行していたいものです。

それくらいたくさんの距離を家族で旅して、たくさんの道を走り、たくさんの思い出を子どもたちの心に刻んでやりたいと思います。




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