ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
さて、今日はうちの車中泊DIYにおける失敗談をご紹介します。失敗は成功の元といいますが、車中泊の電源設備に関しては随分と失敗してきました。電気は目に見えないものだけに、なかなかうまくいかないものです。素人にとって電気関係は悪戦苦闘の連続です。
車載冷蔵庫を購入し、車中泊での運用を試行錯誤していたころの話しです。
容量の小さなインバーターは使えない
まだソーラーパネルを導入する前だったので、昼間はシガーソケットからインバーターを介してACコンセントで、夜間はポータブル電源にACコンセントをつなぎ変えて冷蔵庫の電力をまかなおうと考え、とりあえず100Wのインバーターを買いました。ついでにシガーソケットからDCケーブルを分配できるソケットも買いました。他にもスマホの充電とかいろいろ使いたかったので。
冷蔵庫は定格電力が35Wなので、インバーターは余裕をみて100Wもあれば十分だと思っていたのですが、いざシガーソケットにインバーターを挿して、ACコンセントをつないで使ってみると、エラーがプープー鳴って使えませんでした。
一体何がいけないのかわかりません。
あとから考えると、いくつかの原因が重なっていたと思われるのですが、その時はそんなことはさっぱり分かりません。
いろいろネットで調べてみたところ、冷蔵庫のように電子制御されている機器は、正弦波インバーターでないとダメという記事がありました。
そうだったのか!正弦波。
「正弦波」というのは電気の周波数の波が綺麗な連続した波を描く波形のことです。これに対して安いインバーターは「矩形波」といって、波形が波波ではなく凸凹になります。
そこでさっそく正弦波の120Wインバーターを購入しました。正弦波インバーターは15000円くらいするんですよ。メルカリで7000円で新古品を見つけて購入しました。
今度こそ、と期待してやってみましたが、またしてもインバーターのエラーが鳴ってしまいます。エラーの原因を調べてみると過電流あるいは低電圧が原因でした。
過電流?
低電圧?
全く意味が分からず、7000円も出して買った正弦波インバーターでもダメだったことのショックでかなり落ち込みました。
冷蔵庫を買ってから10日ほど経過して、いまだに冷蔵庫の実用化に至っていません。
そこで、冷蔵庫やインバーターがエラー警告が鳴るときの状態を観察してみることにしました。
冷蔵庫が空の状態だと、エンジンをかけて5〜6秒後に過電流エラーが鳴ります。
試しに冷蔵庫にジュースと保冷剤を入れて庫内を冷やしておくと、エンジンをかけてもエラーは鳴りません。そして走行してから1時間ほどたったころ、突然過電流エラーが鳴り始めました。
そのときの庫内温度は2度。温度設定を0度にしておいたので、設定温度プラス2度の状態で過電流エラーが鳴ったことになります。
原因はサージ電流だった
ネット情報によると、冷蔵庫のコンプレッサーは起動時にサージ電流という大きな起動電流が流れるという記事がありました。
サージ電流は瞬間的に定格の10倍以上の電流が流れるとのことでした。
保冷剤を入れてあらかじめ冷蔵庫を冷やしておくと、はじめのうちはコンプレッサーが作動しないのでエラーは鳴らず、温度が上がって設定温度との差が開いた時にはじめてコンプレッサーが作動するようです。
その瞬間には350W〜600Wという大電流が流れるため、120Wほどのインバーターでは能力不足ということになります。
その後も何回かエラー警告が出る状態を観察してみましたが、やはりコンプレッサーの起動時にエラーが出ます。
そうなるとまたインバーターを買い替えなければいけません。もし正弦波の大容量インバーターなら数万円はします。冷蔵庫よりも高いインバーターはとても買えません。
そこで、セルスターHG350という定格350W、瞬間600Wという矩形波インバーターを買いました。このインバーターはバッテリーへの直結とシガーソケットの両方の使い方ができます。
シガーソケット経由で試してみて、ダメならバッテリー直結で使う覚悟です。
やってみると、このHG350ならシガーソケット経由でも過電流エラーは出なくなりました。
これでようやく冷蔵庫が使えると喜んで車中泊に持っていったのですが、今度は旅の途中でやたらと低電圧エラーが鳴ります。
一難去ってまた一難。
繰り返しピーピー鳴る低電圧エラーにうんざりし、またネットで調べてみたところ、もしかすると車のオルタネータが原因かもしれないとのこと。
オルタネータというのはつまり車の発電機のことです。バッテリーとオルタネータはケーブルで接続されているんですが、バッテリーからのケーブルの他に、オーディオやエアコンなど車載している電装機器からのケーブルがオルタネータに繋がっていて、電装機器からオルタネータに負荷がかかるとオルタネータが作動する仕組みになっています。
インバーターの配線はオルタネータに繋がっていないため、オルタネータには負荷がかからずいつまでたっても作動せず、そのうちバッテリーの電圧が下がってエラー警告が出る、という可能性が考えられます。
これを解決するには、インバーターからのケーブルをエンジンルームに引き込み、オルタネータ経由でバッテリーと繋ぐ必要がありそうです。そうなると接続ケーブルも太いものを使い、配線の取り回しなどが面倒です。それと、バッテリー直結にしてしまうと、走行中だけでなく、エンジン停止してもバッテリーから電気が流れてしまうため、バッテリー上がりの原因になる恐れがあります。
うーん。
また振り出しにもどってしまった気がしてがっくり落ち込んだ私は、一度全部の配線を外してみることにして、助手席足元のシガーソケット分配コードのところを見てみると、インバーターのソケット接続がややゆるんでいることに気づきました。
ん?
もしかして電圧低下エラーの原因は接続部分のゆるみの可能性はないでしょうか?
接続部の接点が甘いと、きちんと電流が流れず電圧が低くなるという記事を以前見た気がします。
ダメ元で、ソケットの接続をきちんと直してから、もう一度試してみました。
すると電圧低下のエラーは鳴りません。
やはり、電圧低下エラーは接続部のゆるみが原因だったようです。何とも初歩的なミス。でも、こういうことが一つ一つ、素人には分からないものなのです。
こうしてようやくピーピーエラー地獄から解放され、冷蔵庫がまともに使えるようになりました。
後日談
しばらくの間、こうしてインバーターとスアオキの併用で車中泊していたのですが、やはり走行充電ではスアオキへの充電が十分に行えず、冷蔵庫の連続運用に支障をきたすことが分かり、結局はソーラーパネルの導入へと移行していきました。
現在はソーラーパネルを2枚とポータブル電源も2台搭載して、セルスターのインバーターも状況により併用しながら運用しています。
これから車中泊で電装関係をお考えの皆さんの参考になれば幸いです。
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