ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

大容量ポータブル電源は車中泊の実用に耐えるか?




ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。

今回は、大容量化が進んでいるポータブル電源の実用性について考えてみたいと思います。大容量電源を車中泊で使うとしたら、どこを重視し何をポイントに選べばいいだろう?という視点で、大容量ポータブル電源について比較検討してみたいと思います。

サブバッテリーからポータブル電源へ

キャンピングカーや車中泊における電源といえば今まではサブバッテリーシステムが主流でした。深放電や繰り返し充電に強い「ディープサイクルバッテリー」と呼ばれる鉛バッテリーと、直流を交流に変換するインバーター、車のバッテリーとのバランスをみながら充電を行う充電コントローラー、電圧計などを組み合わせたシステムです。
電子レンジなど大きな電力を使う場合にはバッテリー1台では足らず2〜3台搭載したりしている人もいます。
金額的にも、バッテリーと正弦波インバーター、充電コントローラー、電圧系、接続ケーブルなど合わせると最低でも15万円くらいはかかると思います。私のような素人には設置や維持管理の問題も含めて少し敷居が高いものでした。


そこへリチウムイオンタイプのポータブル電源が登場し、サブバッテリーよりも気軽に車内で電気が使えることから、車中泊を新たに始める人たちを中心にポータブル電源が選ばれるようになってきました。

つい数年前までは電力量が300〜400Wh程度が中心だったのが、現在の主流は500〜700Whで価格は6万円前後のものに人気があるようです。
多くの場合は車中泊での冷蔵庫の使用や照明器具、扇風機、携帯の充電などでしょうか。このクラスは定格出力が500W程度なので、残念ながら電子レンジや電気ケトルなどは使うことができません。電気毛布も一応使えますが一晩でバッテリーが尽きてしまうでしょう。


さらにここへきて、1000Wクラスのポータブル電源に注目が集まっているようです。スアオキG1000とか、ジャクリ1000など。定格出力1000W、最大瞬間2000WくらいまでOKで、容量も1000Whくらいの機種ですね。価格帯としては10〜15万円くらいでしょうか?

各地で震災や豪雨被害が出たこともあって、災害対策としてこのクラスのポータブル電源に対する注目が集まっていることも一因と考えられます。1000Wクラスが1台あればたいていの家電が使えるし、もしも停電が長引いても1000Wあれば心強いというのが理由でしょう。ソーラーパネルとセットで買われる方も増えてきているようです。



しかし。。。!

ここでよーく考えるべきなのは、このクラスのポータブル電源が本当に実用的か?ということです。


1000Wクラスのポータブル電源なら今まで使えなかった電子レンジなどの家電製品が使える、という話しが何となく広まっているような気がします。
商品の仕様説明やレビューなどにもそうした記載が見られる場合がありますから、全くウソということではないのでしょうが、1000Wクラスで電子レンジが使えるというのは、かなり条件が限定された場合に限るようです。


1000Wクラスなら電子レンジが使える!と喜び勇んで大枚をはたいてポータブル電源と電子レンジを買い、実際動かしてみるとエラーで使えなかった、という失敗例をたまに耳にします。


ポータブル電源のカタログに書かれているスペックをよく見れば書いてあることなのですが、やはり素人の私たちにはスペックから実用性をイメージするのは大変困難なので、勝手な妄想で、「多分いけるだろう」と都合のいい解釈をして購入してから失敗するわけです。

1000Wクラスポータブル電源の実用性

キャンピングカーや車中泊における3種の神器はテレビ、冷蔵庫、電子レンジではないかと思います。
特に電子レンジに関しては、火を使わずに食べ物や飲み物を温めたり調理したりできるという点が、車中泊に圧倒的な便利さをもたらしてくれると思います。

また電気ケトルも車中泊で使えると大変重宝する便利グッズの一つですね。
サッとお湯が沸かせたり、すぐにチンして温かいご飯が食べられる便利さは、まさに車中泊という旅のスタイルにマッチしていると思います。



ただ、問題はその消費電力です。
よく電子レンジのワット数に500Wとか600Wと表示されていますが、これはあくまで電子レンジの高周波出力(つまり食品に照射するウェーブの出力)のことで、電子レンジ自体が消費する定格消費電力は決して500Wとか600Wではないということです。

電子レンジの消費電力は60Hzの場合で1100〜1200W程度になります。ティファールも1250Wくらい消費します。
「60Hzの場合」と書いたのは、50Hzと60Hzでは消費電力に差があるからです。


50Hzと60Hzの違いは、単純に言えば電気の周波数が1秒間に50回、または60回動くという意味ですから、60回動く60Hzの方が50Hzより1.2倍電気を多く消費することになります。


電子レンジの裏側の表示を見てみると、定格消費電力のところに「50Hz=950W/60Hz=1140W」などと書かれていますが、これは何を意味するかというと、50Hzの地域で使う場合、消費電力は950W、一方60ヘルツの地域で使うと1140W消費するということになります。

このことをポータブル電源に置き換えるとどうなるでしょう?


案外見落としがちな「周波数(Hz)」の問題

ポータブル電源を選ぶ際、あまり周波数のことは気にしない方が多いかもしれません。でも先に書いたように周波数は意外と大事なチェックポイントなんです。


仮に、使おうと思っている家電製品が50Hz専用で、ポータブル電源が60Hz専用だとしたら、この家電製品は使えません。
全く使えなくはないかもしれませんが、壊れてしまう可能性があります。

一方ポータブル電源や家電製品が「50Hz、60Hz」両方に対応していれば周波数のマッチングの問題は大丈夫なのですが、先に書いたように消費電力の問題が残ります。60Hz対応の家電製品を60Hzのポータブル電源で使用すると、消費電力は50Hzに比べて1.2倍になりますから、1000Wクラスの電源では許容電力をオーバーしてエラー停止するでしょう。ポータブル電源を購入する際は必ず、使いたい家電製品の周波数とポータブル電源の周波数を確認しておいた方がいいです。


このように、車中泊で電子レンジ使用を考える場合には、1000Wクラスのポータブル電源ではあまりにもギリギリすぎて、いつ止まるかヒヤヒヤしながら使うことになりがちです。
つまり、1000W電源は車中泊での実用性から考えるとファーストチョイスにはなりにくいということです。

もしも、車中泊で電子レンジや電気ケトルを使いたいという明確な目的があるなら、1000Wクラスではなく1500Wか2000Wクラスのポータブル電源を選ぶべきです。


現在の市場相場でいうと、ポータブル電源の価格は1ワットあたりおよそ100円くらいといったところでしょう。500ワットなら50000円、1000ワットなら100000円、1500ワットクラスなら150000円くらいが相場。かなりおおざっぱなとらえ方ですが、おおむね間違ってはいないと思います。
1500Wクラスのポータブル電源を15万円出して買うのは、一般市民にはかなりハードルが高い買い物だとは思います。
電子レンジや電気ケトルだけを目的と考えるともったいない感じがしますが、同時に防災対策という視点で考えると、1500Wクラスのポータブル電源ならほとんどすべての家電製品がストレスなく使え、緊急時に大きな安心になってくれることは間違いないでしょう。繰り返し充電の回数を考えると毎週末ごとに使用したとしても10年以上使える計算ですから、決して高い買い物ではないと思います。


いつかは大容量ポータブル電源をと思っているのなら、とりあえず小さなポータブル電源からはじめてみるのではなく、1500Wクラスを最初に思い切って1つ買ってしまうのが絶対に後悔しない買い方です。
15万円ならサブバッテリーシステムの最小限のセットをそろえるのと同じですし、結局、車で電気を使うとなると、早かれ遅かれそれくらいのコストはかかってくるのです。
それなら、チマチマと小さな電源から手を出すよりは、最初に1500Wを導入したほうが、費用対効果が断然大きいです。
今まで小さなポータブル電源をチマチマと買ってきた経験者は語る(笑)
まあ、小さなポータブル電源も持ち運びの手軽さなど、別のメリットは確かにあるのですけどね。


それでは、次回は具体的に大容量のポータブル電源を導入する場合に気を付けておいたほうがよいポイントを、実機種の情報などを交えながら整理してみたいと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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