ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
さて、今回は先日導入したポータブル電源EFDELTAの弱点克服に関する記事です。
EFDELTAは大容量ならではの弱点もありますが、それを工夫して車中泊での使い勝手向上を図りましたので、ご紹介してみたいと思います。
EFDELTAの弱点その1「ファンの音」
定格出力1600W、最大瞬間出力3100Wを誇るEFDELTAですが、他の大容量ポータブル電源と同様に大容量であるが故の弱点もあります。
その一つが「AC使用時は必ずファンが回る」というものです。
EFDELTAの主電源を入れ、それからAC出力をONにすると、自動的にファンが回り始めます。
ACの出力値に関係なく、コンセントに機器がつながっているかどうかに関係なく、ACスイッチを入れただけで自動的にファンが回り始めるのです。
このままだと、ACから何も電気を使わなくてもファンだけが回り続け、待機電力を消費してバッテリーはだんだん消耗していきます。
また、車載冷蔵庫などをACコンセントで使用すると、冷蔵庫は24時間コンセントに繋がっているので、昼間だろうが夜中だろうがずっとファンは回り続けるのです。
小さな冷却ファン1つのことなので、それほど大きな消費電力ではないにしても、限られた電気容量なのでもったいないですし、ファンの音もまあまあ小型の扇風機並みの音はしますから、夜間の良眠には結構妨げになってしまいます。
実はこれについては購入前から分かっていたことでした。
EFDELTAには13.6V-8AのDC出力が備わっており、トータル108.8Wの直流電源が取れるのです。車載冷蔵庫はAC/DCどちらでも使えるので、ACからではなくDCで冷蔵庫を使えば、たぶんファンは回らずにいけるだろうと踏んでいたわけです。
冷蔵庫は起動時のサージを考慮しても80Wもあれば作動するので、DC出力が100W以上なら余裕で動きます。
EFDELTAはAC使用時は必ずファンが回るのですが、DC出力ではファンは回らないはずなんですね。
ここが大容量ポータブル電源の弱点克服の1つ目のポイントです。
つまり、「常時作動させる必要のある機器はACではなくDC出力側を使うこと。」
そうすれば、無駄にファンを回す必要がなくなるのです。
EFDELTAが届いてから、実際に車載冷蔵庫をつないで実験してみたところ、やはりAC側ではファンが回りますが、DC側につなげばファンは回らず静かに冷蔵庫が作動しました。これならば、車中泊の間24時間冷蔵庫を動かしても、ファンの音に悩まされる心配はありません。
このことは、実はEFDELTAに限らず、大容量ポータブル電源全般に言えることのようです。AC側のスイッチを入れただけでファンが回り始めるのです。
大容量ポータブル電源を買うときは、DC(シガーソケット)から取り出せる電力量をよく確認し、常時使う機器はDC側につなげるように想定しておくのが賢明です。
EFDELTAの弱点その2「ACスイッチの場所」
EFDELTAを使う上でもう一つ大きな弱点があります。これについては、他の方のレビューにもよく書かれている通りで、できればメーカー側に強く改善を求めたいところです。
それは、「AC電源のon/offスイッチが本体裏面にある」ということです。
これはEFDELTAの本体前面、液晶表示のある側になります。こちらの面には入出力の値や充電時間などが表示される他に、USBの差込口と本体のメインスイッチ、そしてDCのスイッチがあります。
ここにACのon/offスイッチもあってくれたらとても良かったんですが、なぜかACのスイッチだけはこの面とちょうど反対側、ACコンセントやシガーソケット口がある方の面にACスイッチがあるのです。
コンセントやシガーソケットは最悪さしっぱなしにするか、あるいは延長コードで手前に引っ張り出しておけば使い勝手にはそれほど影響しませんが、ACスイッチが本体裏面にあるということは、AC側で電化製品を使おうとするたびに、シートの狭い隙間から本体の裏面に手を差し込んで小さなスイッチを手探りで探して押さなければなりません。スイッチを入れっぱなしだとファンが回ったままになりますから、使用が終わればまた手を差し込んでもう一度ACスイッチを切らなければならないのです。
これは正直、かなり面倒です。
EFDELTAの置き場所が、本体の表も裏もすぐに触れる広い場所なら何も問題ないのですが、うちは車内の隅っこのラックの奥の方に据え付けているので、本体の裏面へのアクセスが至難の業なのです。
これについては、いくつかの解決方法を検討・模索した結果、最終的に「自転車のワイヤー作戦」で見事解決することができました。
これが「ワイヤー作戦」に使用した自転車のワイヤーです。製作前の写真を撮り忘れてしまったのですが、100均の自己融着テープで巻きつけてある中には長さ8センチほどのバネが仕込んであり、バネの伸び縮みを殺さないように自己融着テープが巻いてあります。
バネの部分を手に持ち、親指でワイヤーの先端部分をグッと押し込むと、ワイヤーの反対側の丸いチップが5mmほど飛び出してきます。
親指を離すと、バネの力でワイヤーが戻り、チップはまた引っ込みます。
原理としては、このワイヤー先端の丸いチップの部分がポータブル電源のACスイッチを押すことで、スイッチを入れたり切ったりしてみようという遠隔作戦です。
自転車のワイヤーと組み合わせて使用するパーツは、ご覧の通り、「げんこ」と呼ばれるポール取付用のステーと、シリコンのチューブです。これにワイヤーを通して、げんこの部分を本体に固定し、ワイヤーがげんこを通って90度曲がり、ACスイッチのボタンの真上にチップがくるように固定してみます。
口で説明するのは難しいですね。げんこをポータブル電源本体に固定するために荷造り用のタイダウンベルトを使用しました。
げんこの穴を通った自転車のワイヤーは、90度曲がってACスイッチの上に来るように調整してあります。
自転車ワイヤーの反対側は後席シートの手元まできていて、親指でぎゅっと押すと、丸いチップがACスイッチをカチッと押してくれます。もう一度押すと、スイッチが切れる仕組みです。
とても原始的な方法ですが、イメージ通りうまく遠隔操作できるようになり、これでEFDELTAの2つ目の弱点も克服できました。
これでようやくEFDELTAをフル活用するための下準備ができたので、今後は、電子レンジや電気ケトルなどを活用したり、EFDELTAのソーラー充電による持続利用の様子などを、順次お届けしていきたいと思います。
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