ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

Mountain Dewと22口径ライフル


ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。


先日、ふと見かけた自販機に、Mountain Dew(マウンテンデュー)の懐かしい緑色のパッケージを見つけました。

Mountain Dewって最近あんまり見ないですね。カフェインが結構含まれているので健康にあまり良くないとか、いろいろ情報が飛び交っているようですが、私にとってMountain Dewは、懐かしく、とても思い出のある缶ジュースなんです。


若い頃に訪れたアメリカで、その当時流行っていたのがMountain Dewでした。
日本にMountain Dewが入ってきたのはそれよりもう少し後のことですから、アメリカで飲んだMountain Dewの味は、ある意味衝撃的な美味しさだったのを記憶しています。


今日はそんな昔の思い出を少しお話ししてみたいと思います。

1980年カンザス州オークリー

17歳の夏、私はアメリカに1ヶ月のホームステイの旅に行かせてもらいました。


「ラボ教育センター」という、語学を通じて子どもの情操教育や海外との交流活動などを行う組織が当時全国にあって、その活動の一環でアメリカにホームステイにいくという国際交流プログラムがあったんです。
日本の「ラボ教育センター」に対して、アメリカ側の受け入れ機関は「4Hクラブ」(フォーエイチクラブ)という農業系の慈善団体でした。


1ヶ月のホームステイと往復の旅費などを含めて、当時のお金でたしか30万円くらいだったと思います。中学の頃から毎月少しずつ積立をして、5年くらいかけて30万円をこしらえて、アメリカに行かせてもらったという訳です。


あの旅は、私のその後の人生の大きな糧になっていると思いますし、そんな旅に行かせてくれた両親への感謝と、兄妹の中で自分だけがそういう経験をさせてもらったことで妹たちに対しても申し訳なかったなと思います。



私が訪れたのは、アメリカ合衆国カンザス州にあるオークリーという町でした。


(Wikipediaより引用)

オークリーはカンザス州の西の端っこにあるLogan county(ローガン郡)の郡庁所在地になっています。オークリーそのものはまあまあ大きな町なのですが、私が滞在したのはそのオークリーの町はずれにある小さなダウンタウンでした。町には少しばかりの雑貨屋やグローサリーストアがあるくらいで、少し歩けば、周りは見渡す限りのプレーリー畑という、アメリカの典型的な田舎町の風景が広がっていました。

オークリーは日本でいうと市にあたりますが、その人口はわずか2000人くらいですから、おそらく圧倒的に牛や豚の数の方が多いことでしょう。


アメリカという国は、ニューヨークやロサンゼルスなどの大都市を除けば、今だに国土の大半はいわゆる田舎町なのですね。


日本からパンアメリカン航空でアラスカへ、そこからコンチネンタルエアラインに乗り換えてカンザス州の州都ウィチタに着くころには、すでに日本から20時間くらいかかっていました。そして、ウィチタからさらに大陸横断バスに乗り込み、バスで13時間。何百キロもただひたすら赤茶色けた荒野を走り続け、ようやくオークリーの町に到着したのです。


私がホームステイしたのはプロテスタントの教会の牧師さんの家で、3人の男兄弟と女の子が1人、両親合わせて6人という家族でした。


1番上の男の子は15歳で、その夏は近くの農場に住み込みのアルバイトに出ていて不在でした。私は11歳のスコットという2番目の男の子と、その友だちと一緒に遊ぶことが多かったです。



17歳の私と、11歳のスコット。私のつたない英語力でも何とか対等に渡り合えるギリギリのレベルでした。
アメリカ初体験の私にとって、彼らとの遊びを通じて見るアメリカ大陸の文化は、まさに新鮮な驚きの連続でした。


西部劇や、バックトゥザ・フューチャーの映画の中で垣間見える古き良きアメリカ、そして、そこから現代につながるアメリカそのままが、そこにありました。

Mountain Dewと22口径ライフル

Mountain Dewはスプライトやコーラとはまた違ったふしぎな味わいと、淡い緑色がさわやかな炭酸飲料です。
Mountain Dewという言葉は、元々アメリカの密造ウイスキーを指すスラングだったそうですが、カンザス州をはじめアメリカでは当時、州の法律でアルコールが禁じられているところが多かったので、もしかするとそういうこととネーミングとが関係あるのかもしれません。


夏の暑い昼下がり、スコットたちと町のプールで遊んだ帰り、自販機でMountain Dewを買って飲むのが僕等のお決まりのコースでした。
アメリカでもMountain Dewは発売されてまだ間もない新製品だったせいか、スコット達は毎回競い合うようにMountain Dewを飲んでいました。


彼らは小銭入れを持たずにスニーカーの靴底にコインを入れておくのが習慣でした。
彼らが靴の中からコインを取り出して缶ジュースを買うのを初めて見た時の鮮烈な印象は今でも覚えています。
何か「アメリカにきたなぁ」という感じがしたんです。


英語でMountain Dewは「マッ・ン・デュー」と発音します。
スコット達からこぼれる生の英語が、初めて口にしたジュースの味とともに胃の中へ染みていきました。

他にも、たとえばマクドナルドは「マッ・ダーノー」、そして、ドナルドダックは「ダーノーダッ」と発音します。
学校で聞く英語は全く役にたたないどころか、下手するとかなり間違った教え方をされているような気がしました。

「日本の英語教育は根本的に違うところから始めないと手遅れになるぞ」と17歳の私は心の底からそう思ったものでした。



日本の11歳といえば、「誕生日にマウンテンバイクを買ってもらった」とかいう年頃ですが、アメリカの11歳のスコットの口癖は
「来年になればパパが車の運転をさせてくれるんだぜ」でした。

15歳の長男はすでに車を運転していましたし、スコットも12歳になれば、親の同伴があれば、州の法律では車の運転ができるんだそうです。
身長150センチほどの12歳の少年が、V6エンジンの巨大なアメ車を運転するなんて、やはりアメリカというのは恐ろしい国です。



それから、僕等はよくライフルを打ちに、近所の空き地へ行って遊びました。

キリスト教の教会の牧師さんだろうが、家にはライフルが当たり前のように置いてあって、しかも子どもたちが自由にそれを手にする事ができるのでした。

22口径のライフル銃のことを彼らは「トゥェリトゥ(twenty-two)」と呼びます。
彼らにとって、銃身の長いライフルは子どもでも扱える簡単な銃で、むしろ短銃の方が扱いが難しいらしく、バーベキューパーティなどで人が集まると、大人たちはもっぱら短銃で的に当てることに夢中でした。



スコットは別に隠れてこそこそする訳でもなく、親に「ちょっとライフルで遊んでくるね」と言って、ライフルと弾をもって空き地に向かうのでした。

22口径のライフル銃で30mほど離れた空き缶を狙うのはたしかに簡単でした。ライフルだと銃撃の衝撃を肩で受け止めるので、跳ね返りは大したことはありません。これがピストルになると弾丸の衝撃は両腕を通してまともに肩に跳ね返ってきます。うまく衝撃を逃がしてやらないと下手すると肩を脱臼してしまうこともあるようです。


こんな風にして、大人も子どもも気軽に銃に触れ、遊び感覚で銃を覚えるのです。
日本では考えられないようなアメリカの銃社会の現実を垣間見た気がしました。




私にとって1ヶ月のホームステイは、アメリカという国の気候風土と、アメリカに住む人々と、そして、そこにある暮らしを肌で感じることができた日々でした。

プレーリーの草原には太古のサメの歯が落ちていたりして、この地がかつて海の底だったことを知ることができましたし、オークリーの町にはインディアン保護区があり、この地が元々アメリカ人のものでなく、かつてインディアンがここで豊かに暮らしていて、あとから来た人々に土地を奪われた現実を知ることができます。
そんなインディアンたちも、今では保護区に住みながら、自分たちの歴史や文化を観光にして収入を得ているという逞しい一面も知りました。



アメリカで過ごしたことを長い間忘れていた私は、久しぶりに目にしたMountain Dewの缶をきっかけに、色々なことを思い出しました。
アメリカという国のさまざまな文化は、何となく「カッコいいもの」として日本人の目に映ります。そのルーツには、あの広大な平原のカラッとした風土と、大らかでのんびりして、ある意味大ざっぱな彼らの生きる暮らしの中から生み出されているということを知ることができました。


対しての日本の、移り行く四季の自然の奥深さや、人々の細やかな気配り。情緒。繊細さ。(言い換えればやや神経質な)
どちらが良いとか、勝っているということではなく、どちらにもそれぞれの良さがあるということだと思います。


デニスホッパーとピーターフォンダが自由を求めてオートバイで荒野を走る映画「イージーライダー」に描かれる、アメリカの自由と抑圧(反体制、異文化、異人種への偏見や差別)
自由に今を生きるかっこよさと、ラストシーンの悲惨で物悲しい最期。


アメリカという国の両方の側面をじかに肌で感じられた17歳の夏の思い出でした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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