ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

車中泊エッセイ〜バンクシー展に思う

ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。

先日、近場車中泊をした翌日、琵琶湖畔にある佐川美術館へ「バンクシー展」を観に行ってきました。今日はそのことについて書いてみたいと思います。



バンクシー「BANKSY」

イギリスを拠点にストリートアートや政治的な活動等を行なっている匿名のアーティスト。実際の人物について誰も知らないという謎めいたところや、神出鬼没な行動、そしてその作品には強いメッセージ性と一貫したポリシー(信念)があり、まるでバットマンや月光仮面のようなヒーロー性が人々の好奇心をくすぐり、バンクシーという名前だけは何となく知っているという人も多いかもしれません。



琵琶湖大橋からほど近い守山の佐川美術館でちょうど「BANKSY展」をやっていて、うちの奥さんがぜひ観に行ってみたいということで、土曜日の夕方からふらっと琵琶湖畔へ車中泊に出かけ、その翌日に家族で美術館に行ってきました。



佐川美術館は現在、コロナ対策としてチケットは事前予約制となっています。あらかじめネットで時間を予約してチケットを事前購入するというシステムです。
私たちは11時30分からの入場チケットを予約しました。



予約制で入場者数が制限されるため、押し合いへし合いの混雑はなく、比較的ゆったりと作品を観ることができました。コロナ対策に限らず、予約制というのはなかなかいい方法かもしれませんね。




バンクシーといえば、ハート型の赤い風船と少女をモチーフにしたステンシル画が有名です。
館内は撮影禁止でしたから、実物の写真はありませんが、この風船と少女の作品の他、火炎瓶の代わりに花束を投げる男性の姿や、低賃金の労働者階級の象徴としてのサルやネズミをモチーフにした作品など、バンクシーならではの作品が多数展示されていました。思っていた以上にバンクシー自身の作品が多く展示されていて、生で実物をみることができて良かったです。
ただ、展示作品のタイトルや解説の翻訳が、少しニュアンスが微妙なものがあって、そこは残念でした。
バンクシーの作品はタイトルや吹き出しの文字に風刺が込められているものが多くあるので、その訳が違っているとメッセージが全く変わってきます。


バンクシー展そのものへの違和感

バンクシーの描く作品は、ステンシルという型紙とスプレー塗料を使った作風で、とてもシンプルな図柄が特徴です。
そして、誰がみてもとても分かりやすいその図柄(グラフィティー)の中に、資本主義偏重に対する批判、政治や戦争や社会問題などに対する風刺を、パンチの効いたブラックユーモアで痛烈に表現しています。


こうしたバンクシーの風刺は、政治的、歴史的な背景に関する多少の知識がないと、その意図はわからないかもしれません。
一見ポップに表現された作品たちの中にどんな意味やメッセージを読み取るかは、それを見た人に委ねられます。風刺のメッセージ性に気づかず、単に現代アートとしてこれらの作品を観る人も少なからずいると思います。
その一方で、バンクシー作品を前にして涙ぐんでいる人もいました。そこに横たわる差別問題や、戦争によって命を奪われた人々の悲しみなど、感受性の高い人ほど強いメッセージが伝わってくるのだと思います。



そんなバンクシーの痛烈な風刺に圧倒されながら作品を見ていくうち、ふと自分が妙な違和感を感じていることに気付きました。それは、
「このバンクシー展って、バンクシー自身が出展してるのかな?」
「だとしたら、資本主義を痛烈に批判してる割には、バンクシー自身この展覧会で大もうけしてるのって、ものすごく矛盾してるんじゃないだろうか?」
そう感じ始めたのです。
思えば、バンクシー展はこの1〜2年、東京や大阪など全国各地で開催されていて、どこも結構人気があるみたいです。


気になったので、帰ってから少し調べてみると、どうやら各地で開催されているバンクシー展は、全て本人の承諾なく、プロモーター(企画会社)が勝手に主催しているようです。
並んでいる作品は確かにバンクシー自身のものですが、それは作品を購入した所有者から主催者が借り集めて並べているというカラクリみたいです。


それで謎が解けました。
著作権という意味では、所有者が作品を貸しているわけですから法的には確かに問題ないのでしょうが、バンクシー本人はこのような展覧会を一切認めていないようです。



自ら主催して金もうけをするはずがないのに、と感じた違和感の正体はこれでした。
バンクシーの作品を観ることができたという点ではバンクシー展に行けてよかったと思いますが、そこに支払った入場料は、バンクシーの今後の活動のために使われるのではなく、彼とは全く関係のない、まさに資本主義という巨大な仕組みの中に飲み込まれていったことになります。


いろいろと考えさせられる機会となり、そして、とても刺激を受けたバンクシー展でした。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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