ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
普段あまり考えることもないかもしれませんが、私たちは何のために車中泊をするのでしょうか?
ちょっと禅問答みたいですが(笑)
今日は、私たちが車中泊をする意味について少し考えてみたいと思います。
「旅」と「宿泊」
「旅行」と「泊まること」は同義語ではありませんが、ほとんどの場合旅行=宿泊が含まれますから、一般的に人々が「旅行」というときには、イコール「泊まる」ことをイメージするのではないかと思います。
宿泊しない日帰りツアーもたしかにありますが、まあ旅行といえば普通は「泊まる」がつきものです。
さて、その旅において「泊まる」に関する部分への期待値が大きいか小さいか?
つまり、旅において、泊まること自体が大きな目的になる場合と、他に目的があって宿は二の次という場合です。
前者は、たとえば極上の宿に泊まり、最高の料理と贅沢なお風呂、そして気の利いたおもてなしに身も心も癒される。わざわざその宿に泊まるために旅行に行くというような場合が考えられますね。
それに対して後者では、何か別の目的のために旅していて、泊まることはどちらかというと睡眠と休息のための手段という場合。安く泊まれればそれでよい。寝床と食事と風呂さえ入れれば贅沢はいわない、というような場合です。
車中泊という停泊方法はどちらかというと後者に分類されることが多いと思います。安く気軽に泊まれる、つまり「宿代わり」ですね。予約もなければ、チェックインもチェックアウトも要りません。
好きなところまで走り、疲れたら停泊する。近くの立ち寄り湯に入り、好きなものを食べる。
道の駅なら、地元の産直やちょっとした買い物もできます。
コストパフォーマンスに優れるだけでなく、タイムパフォーマンス(時間対効果)も優れており、ホテル泊と比べるとずいぶん時間が節約できると思います。
車中泊を「手段」から「目的」へ
このように、車中泊は安く気軽に泊まれる手段としてとらえられることが多く、そうした「寝泊まりの手段」というくくりで車中泊を考える場合には、車内のレイアウトや準備は、より具体的な「睡眠や休息」の意味合いが強くなっていくと思います。
うちも車中泊をし始めたころは、よりぐっすり眠れることを目標に、遮光や断熱や床のフラット化などに取り組んでいきました。
一方で、車中泊という表現を超えて、車をベースキャンプにして家族で楽しく遊んだりくつろいだりする「バンライフ」という、もう一つの視点があります。
それ自体が休日のイベントになるような過ごし方。それは「手段」から「目的」への変化といえるかもしれません。
キャンプというアクティビティも、元々、西部開拓時代(アメリカのゴールドラッシュ)の長距離移動における野営という、寝泊まりのための手段だったものが、その面白さに焦点が当てられ、やがて野営をすること自体が目的化していきました。コールマン社などアメリカのキャンプ用品メーカーの販売戦略によるイメージ作戦もあったかもしれません。
それと同じようなことが、車中泊においてもすでに起こり始めているのかもしれません。
車中泊という行為は寝泊まりのための手段であると同時に、どうやらそれ自体がワクワクする楽しさを含んでいる、ということなんだと思います。
ぐっすり寝て身体を休める『安心と休息のための手段』と、ワクワクする非日常を楽しむ『エンターテイメントという目的』、その両方を併せ持つのが車中泊です。
キャンプの夜、焚き火に薪をくべ、揺れる炎をぼんやり眺めるのと同じように、リアゲートを開け放ち、そこに広がる景色に溶け込むようにくつろいだり、気が向けばコーヒーを淹れたり本を読んだり。自分にとって居心地の良いリビング空間が、そのまま「どこでもドア」のように持ち出せるのが車中泊(バンライフ)の魅力といえます。
その贅沢さはある意味、極上の宿に泊まることと比べても、決して負けていないのではないでしょうか?
なぜ旅をするのか?=なぜ車中泊をするのか?
戦後の日本は「豊かさ」という目標に向かって突き進み、高度成長を経て今や物の豊かさでは世界のどこにも負けない国へと成長したように思います。
テレビ、冷蔵庫、洗濯機が手に入り、次にマイホーム、そして車。物質的な豊かさが幸せを表すバロメータになっていきました。そんな成長期の日本においては、旅行にいくことも贅沢さや物の豊かさの象徴として捉えられていたように思います。今でも多くのホテルや旅館が、「贅沢さの提供こそ最高のサービス」だと認識しているのもその表れでしょう。
そんな風に物の豊かさが偏重される中で、新たに見直されつつあるのが「心の豊かさ」です。
何を贅沢と捉えるか?その価値基準が、物に囲まれる満足から、精神的に満たされる幸せへとシフトしてきたといえるかもしれません。
Z世代はリアリスト(現実主義者)といわれますが、リアリズムとは物の本質を見ようとする指向性であり、物質的な豊かさより精神的充実の方が大切だと、彼ら若い世代の目にも映っているのかもしれません。
なぜ人は旅をするのでしょうか?
旅の目的は、その時代の社会背景や世相と密接に繋がっているように思います。
お伊勢参り全盛だった江戸時代、一攫千金を夢見たアメリカ西部開拓時代、高度成長期のステイタスだったハワイ旅行などなど。
そして、現在。
100均で生活用品のほとんどが買え、物は余っているけれど、賃金は上がらない。じわじわと物価が上がり家庭生活を圧迫し始めているそんな世相の中、物の豊かさよりも心の豊かさを求める人々のベクトルと、車中泊やバンライフという一つの行動スタイルは、どこかでつながっているような気がします。
車中泊は恥ずかしいことなのか?というテーマで以前記事を書いたことがありましたが、車中泊は恥ずかしいことなんかではなくて、むしろ、心の豊かさを求める現代の人々の志向にマッチした素敵な旅のかたちではないかと感じるこの頃です。
こちらの記事もよければご覧ください。
sleepysheep-zzz.hatenablog.com
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