ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

車中泊に向く車、向かない車


※ハイエースの前に乗っていたオデッセイRB-1。とてもいい車でした!


ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。

今回は「車中泊に向く車、向かない車」というテーマで少し考えてみたいと思います。

車中泊に向く向かないで車は買わない

いきなり今回のテーマから逆行するようですが、「車中泊に向くか向かないか?」という視点で車を買う人はあまりいないと思います。
「車中泊に向く車」というのは、あくまで「今乗っている車は車中泊に向いているか?」
あるいは、「今乗っている車で車中泊する場合、どんな所を工夫したらいいか?」を考えるという意味であって、車を買う時に「車中泊するのに向いているか?」を基準にして車を選ぶ人はあまりいないのではないかと思います。


とかいいながら、うちがオデッセイからハイエースに買い替えた一番の理由は「家族4人で車中泊できること」だったんですけどね(笑)
2人目の子どもが生まれて、さすがにオデッセイで家族4人車中泊は無理なので、見た目のかっこよさとか乗り心地よりも、居住空間の広さや車中泊アレンジのしやすさを優先し、ハイエースに乗り換えたわけです。
オデッセイはとても気に入っていた車なので、手放すのはとても辛かったです。今でもたまに、またオデッセイに乗りたいなと思うことがあります。特にRB-1は、いろんな意味でバランスの取れたとてもカッコイイ車だと思います。


徐々に車中泊への関心が高まってきている最近では、車を買い替える時、「ついでに、車中泊にも使えたらいいね。」位に人々の関心はあるかもしれません。大手自動車メーカーが、SUV(スポーツユーティリティビークル)やRV(レジャービークル)に次いで、車中泊仕様やライトキャンパーモデルをラインナップに登場させてきている現状を見ても、車中泊市場としての需要が出てきていることの現れだと思います。

車中泊の実用に耐える基本諸元

さて、自分の車が車中泊に向いているか?を考える上で、最低限確認すべきポイントとして、大きく次の3つが挙げられます。

・車内の有効幅と長さ、高さ
・荷物の逃げ場所
・モード切り替え時に車外に出る必要性


横幅と長さ

ここでいう有効幅と長さというのは、あくまで車中泊の居住空間(寝る場所、くつろぐ場所)として確保できるスペースのことを言います。
シートアレンジは車種によって様々ですから、シートをスライドしたり倒したり引き上げたりして、その車の中で最も広くなる空間を取り、その上で横幅や長さを計ってみましょう。カタログ上の寸法よりも、実際に寝泊まりできるスペースとしては思ったより狭い場合があります。

人間が横になって就寝できるためには、長さ190~200センチ、横幅に関してはできれば60センチ以上(最低でも45~50センチ)は欲しいところです。寝ている間、人の足先はだらんと垂れるように弛緩しているので、身長プラス10センチはゆとりが必要になってきます。
つま先や肩や頭などがどこかに触ると熟睡できないものです。


最近のミニバンやステーションワゴンはデザインが流線形だったり室内に出っ張る部分があって、3ナンバーのミニバンでも場合によっては有効幅が100センチほどしか取れないことがあります。特に2列目や3列目を左右の壁面にはね上げるタイプでは、跳ね上げたシートが室内に出っ張る分だけ有効幅が狭くなり、2人が横になると肩がぶつかって寝がえりがうちづらい場合があります。

こういうタイプのシートの場合、車中泊として考える時はあえてシートを跳ね上げずに背もたれを倒したアレンジにする方が、実際には広く使える場合があります。

あるいは片側だけ跳ね上げ、もう片方はシートをフラットにして、左右別々のシートアレンジにするというのも1つの方法です。
こうすることで1人は床に横たわり、もう1人はシートの上に寝ることになり、お互いの身体が干渉するのを避けることができます。
狭い空間では人の動きに伴って揺り起こされるのが一番安眠の妨げになりますから、左右で段差をつけることでそれぞれ独立した空間を作る方が安眠できるのです。


室内の高さ

次に高さについてですが、貨物扱いの4ナンバーや1ナンバーの車と比べると、5ナンバーや3ナンバーは3列目までシートがあり、シートの数が多い分どうしても天井高が低くなる傾向があります。

就寝スペースの問題だけならまだ何とかなるのですが、リビングとして人が座って過ごすことを考えると、座面から天井まで最低でも100センチ〜110センチは欲しいところです。100センチ以下になると頭がつかえて、首を曲げたり背中を丸めて過ごさなければならなくなり、これはエコノミー症候群の原因にもつながります。


床をフラットにするには、倒したシートの上にコンパネを敷いてその上に布団を敷くのが一番理想的ですが、その状態で室内高さがどれくらい確保できるかを自分の車で一度測ってみてください。オデッセイのときは、コンパネと布団を敷くと座面からの高さは100センチを切ってしまって、寝るにはいいけれどリビングとしてはやや窮屈でした。


場合によっては寝る直前までシートを展開せず、後部シートをソファ代わりにして過ごし、寝る直前にフラットにするという方法もあるかもしれません。うちはオデッセイの時はまだ夫婦2人だけだったので、旅行の間ずっとコンパネを敷いたままにして、後ろの空間はリビング兼寝室としてつかっていました。
このあたりは、次に述べる荷物移動と車内の動線との兼ね合いにも繋がってくると思います。


このようにして、車中泊としての有効幅と長さ、それから高さを計ってみることで、およその就寝可能人数が割り出せます。
ミニバンやステーションワゴン、あるいは軽のワンボックスなら大人2人は十分車中泊可能でしょう。
普通のセダンタイプや軽自動車でも無理すれば大人2人で車中泊できなくはないですが、その場合、一人は運転席側を倒して横になるため、就寝というより「仮眠」のような状態になってしまいます。若いうちならそういうスタイルでも旅を楽しめるかもしれませんが、長期旅になるとさすがにきついと思います。


就寝時の荷物の逃げ場所の問題

ミニバンクラスなら、2人車中泊はもちろん、家族3人とか4人での車中泊を考えたくなってくると思います。この場合、子どもの寝る場所をどうするか?というのが思案のしどころですが、それともう一つ問題なのが荷物の移動と置き場所についてです。


走行モードと就寝モードの切り替えは、なるべく手間が少ないに越したことはないですが、家族の人数が多くなってくると荷物も増え、それだけ荷物の移動やベッドモードへの展開に手間がかかります。


車中泊の置き場所を考えるとき、寝ている間はつい運転席まわりに荷物を置きたくなります。
でも、
「運転席は極力荷物スペースとして使わないこと。」
これが大事なポイントで、万一の安全を考え、何かあったときは夜中でもすぐに運転を始められるよう、運転席周りはできるだけ変化させずキープしておくことが大切です。


そうなると、運転席以外の場所に人数分の荷物置き場を確保していくわけですが、衣類や洗面道具などのいわゆる旅行の荷物が人数分と、それ以外に車中泊に必要な装備の数々がざっくり段ボール換算で1〜2個くらいになるでしょうか?
後席シートの足元にその全部が収まればいいですが、家族4人ともなってくると衣類だけでも結構な量なので、とても足元だけでは収まりきらないと思います。そんな場合は、助手席の足元や、リアゲートを開けたラゲッジスペースなども利用して、何とか置き場所を見つけていきます。
ちなみにラゲッジスペースは就寝モードの際はシートを倒すことになるので、倒した背もたれの下、わずかなスペースしか収納に使えません。それでも、そういう場所を活かして納めていくしかないのです。


自分の車を就寝モードにした時に収納できるスペースごとにサイズを測り、そこに収まるボックスや入れものを探しておくことが、車中泊の収納のコツといえます。
一度決まってしまえば、毎回ほぼ同じパターンのはずなので、収納スペースごとにちょうどいい大きさの入れ物を探して、毎回そこに収納するようにすることです。


入れ物はコンテナボックスや買い物のレジカゴみたいなタイプでもいいですが、何かの収納ケースを代用してもいいと思います。
例えば、ショートスキーを入れる1mくらいの長さのソフトケースとか、スキーブーツのソフトケースとか、厚さ8センチくらいの平べったいプラスチックのケースなど、ちょっと視点を変えて探してみると案外ちょうどいい入れ物が見つかることがあります。


どうしても車内に荷物の置き場所確保が難しい場合、キャリアをつけて屋根の上に荷物を置いておくというのも一つの方法です。雨が降ると濡れてしまうリスクはありますが、ふた付のコンテナケースなどに入れて屋根の上に積めば雨でも大丈夫です。あるいは、思い切ってルーフラックをつけるというのも一つの方法かもしれません。
ただ、いずれにせよ車の屋根に荷物を載せる場合、就寝モードへのチェンジの際に車の中と外を行き来する必要があり、これがネックになります。


車内で行う動作と車外に出る動作

車中泊のレイアウトチェンジは、できるだけ車から降りずに用意が完了できるのが理想です。

雨の問題

一つは雨の問題があります。雨の場合、レイアウトチェンジのために車外に出て支度をすれば、あっという間に全身ずぶ濡れになってしまいます。
仮にカッパを着て作業をしたとしても、車内に戻る時にカッパを脱がないといけませんし、脱いだカッパを濡れたまま車内に持ち込むのも面倒です。応急的にドアの上にブルーシートで簡易的にひさしを作ってしのぐ方法もありますが、それにしても最後はやはり濡れたブルーシートをどうにかしないといけません。

蚊の問題

もう一つの理由として、車のドアを開け閉めすることで蚊が車内に入ってくるということが挙げられます。
車から発せられる熱や、身体から出る二酸化炭素に引き寄せられて、どこからともなく蚊は車内に侵入してきます。
夜間、車内で蚊に刺されるのは本当に嫌な思い出です。耳元でうなるプーンという蚊の音とあちこち刺された痒みで、家族全員が寝不足の朝を迎えるあの辛さは二度と経験したくありません。


5月~9月くらいの間の車中泊は蚊との闘いですから、どうしても車を開けて作業しなければならない場合は、面倒でも蚊取り線香をたくことです。足元で煙を焚くだけと蚊の侵入がずいぶん違いますから、夜間のトイレのことなども考えると、夏場は一晩中蚊取り線香を焚いておいたほうがいいかもしれませんね。
真夏が終わっても9月いっぱいは蚊への警戒が必要です。

もう一つは防犯上の問題。

夜の駐車場でドアを開けて車中泊の支度をしている様子は、外からは車内が丸見えで、見ている方が恥ずかしくなるくらいです。
いかにもここで寝ていますと宣言しているみたいですし、ドアロックせずにぐっすり寝込んでしまうと盗難にあったり、族に絡まれたりするおそれもあります。


これらの理由を考えると、やはり就寝準備はできるだけ車の中で全ての動きが行えるようにするのが理想です。
現地でいきなりやろうと思ってもなかなかできないと思いますので、事前に予行演習してイメージしておくことをおすすめします。特に、夜暗い中での準備というのは、昼間では分からない不便なこともありますから、家の駐車場などで夜間想定のシミュレーションをして、問題点を洗い出しておきましょう。車内灯をつける時は先に車内カーテンで目隠しをするなど、実際にやってみないと分からないことも多々出てくると思います。


さて、今回は車中泊に向く車、向かない車というテーマで考えてみましたが、結論として、車種が何であれ工夫すればどんな車でも車中泊は可能だと思います。
そもそも車中泊というアクティビティ自体が、ないものを工夫して楽しみながら旅をするというスタイルですから、「不自由を楽しむ」くらいの気持ちで臨む方が気が楽だと思います。

とはいえ、現地であまりバタバタするのもしんどいですから、自分の車で車中泊する場合を想定して、事前にいろいろ試してみたり準備しておくようにしましょう。



最後まで読んでいただきありがとうございます。

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