ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

車載クーラーについて掘り下げてみる

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ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。


今回は、夏の車中泊に効果が期待されるポータブルクーラーについて少し掘り下げて考えてみたいと思います。

車載クーラーの種類

そもそも、車専用のクーラーってあるのでしょうか?
キャンピングカーなどに設置される車専用のクーラーは、家庭用と同じく室内機と室外機が分離していて、室外機を車の外に設置して使います。見た目も家庭用のクーラーとほとんど変わらない感じですが、車用クーラーはAC(交流)の他にDC(直流)でも使えるのが家庭用との大きな違いです。車載バッテリーは直流なので、直流から直接直流を動かす方が当然効率がいいわけです。
直流をいったん交流に変換してから、またACアダプターで直流に変換すると相当電力をロスしてしまうので、直流のままで動かせるのはかなり魅力的だと思います。
ちなみに車載クーラーの室外機は、スペアタイヤを外したスペースに設置することが多いみたいですね。

私たちのようなナローボディの場合、室内スペースの問題があり、なかなか手軽に導入というわけにはいきません。


次に候補として挙げられるのがいわゆる「ポータブルエアコン」という商品です。
もともと車で使う想定ではなく、小さな部屋や倉庫、ガレージなどエアコンが置けない場所に簡易的にエアコンを置く目的で作られたクーラーです。このタイプは室内機と室外機が分かれておらず、1つの機械の中に室内機と室外機が同居して、相反する役割が背中合わせになっているのが特徴です。


ポータブルという名前からして何となく簡単に設置できそうですが、ちゃんと部屋を冷そうと思うと、エアコンが冷える仕組みや室内外の空気の流れを理解して、吸排気をちょっとひと工夫してやる必要がありますが、これが意外と難しいのです。
このことについては、また後で少し述べたいと思います。

消費電力と冷房能力のバランス

ひとことでポータブルエアコンといっても、色んなメーカーから様々な製品が発売されているので、いざポータブルエアコンを車で使おうと思うと、どれがいいか迷ってしまいます。


車でポータブルエアコンを使う場合、
①どれくらいの冷房能力が必要か?
②消費電力はどれくらいなのか?
③吸排気の配管をどうするか?

この3つがポイントになると思います。


まず、冷房能力に関してですが、冷房能力の指標として、家電量販店などでよく見かける単位にkWというのがあります。「冷房能力2.5kW(8畳用)」という感じで表示されているのをよく見かけると思います。冷房能力というのは、部屋の面積1㎡あたり190〜200Wくらいで計算されているようです。例えば8畳は面積に直すと13.2㎡ですから、13.2×190=2508、つまりおよそ2.5kWということになります。


ちなみに、もう一つ別の指標としてBTUという単位を見かけることがあります。これはイギリス式の計算方法らしく、部屋の体積(横幅×奥行き×高さ)×141、さらに人間1人あたり500BTUを加えて、およその冷房能力を出すらしいです。
例えば8畳で4人の場合、13.2㎡×高さ2.4m×141+500×4人=6466、つまり必要な能力はおよそ6500BTUということになります。


では、ハイエースにエアコンを積む場合、どのように考えればいいでしょう?


車の場合、家と違って壁に断熱材がなく、四方が広く窓で囲われて、まるでサンルームのような状態なので、冷房能力は通常の1.5倍くらいの余裕を見ておく方がよさそうです。


ナローボディのハイエースの室内広さは1.5m×4m=6㎡、体積は6㎡×高さ1.5m=9㎥くらいです。
上記の基準に当てはめて計算してみましょう。

KW計算の場合

面積6㎡×190=1140W、これの1.5倍とすると1710W、つまり約1.7kwほど必要ということになります。

BTU計算の場合

体積9㎥×141+500×4人=3269、その1.5倍とすると4903、つまり約5000BTUの冷房能力が必要ということになります。


消費電力

次に消費電力についてですが、ポータブルエアコンの消費電力は冷房能力に比例して大きくなっていきます。

0.8KW程度→消費電力300Wくらい
1.8KW程度→消費電力550Wくらい
2.2KW程度→消費電力800Wくらい
2.5KW程度→消費電力900Wくらい



コロナのどこでもクーラーが冷房能力0.8KWで消費電力300Wくらいです。
実は昨年、うちはこのコロナどこでもクーラーをハイエースに積んで、北海道キャラバンに出たのですが、北海道の気候なら何とかギリギリ使えましたが、正直なところ0.8KWではちょっと役不足な感じでした。

リチウムバッテリーで何時間使えるか?

200Ahのリチウムバッテリー(約2560Wh)でどこでもクーラー(消費電力300W)を一晩動かしてみたところ、約8時間くらい使えました。
ただし、翌朝にはバッテリーが空っぽになってしまって、トースターもケトルも何も使えませんでした。


先ほどの試算から考えるとハイエースを冷やすには最低1.7KW(5000BTU)以上の冷房能力が必要です。このクラスのポータブルエアコンは、消費電力がだいたい500〜600Wくらいなので、エアコンを一晩使うと消費電力は6000〜7000wほどになります。 200Ahのバッテリーが3台くらいは必要ということになります。

こちらのeenour PA600というポータブルエアコンが、ちょうど冷房能力1800W、消費電力は550Wくらいです。
これくらいのエアコンがハイエースにはちょうどいいかもしれません。

エアコンが冷える仕組み

そもそもエアコンが冷えるのは、パイプの中を冷媒が循環しながら、ある時は冷媒が液体から気体へと、またある時は気体から液体へと変化することによって室内の空気を冷やすというのが簡単な仕組みです。


冷媒を液体から気体に変化(気化)させるための装置を膨張機(エバポレータ)といい、冷媒を気体から液体に圧縮させる装置を凝縮機といいます。家のエアコンは室内機と室外機に分かれていますが、このうち室内機では膨張機(エバポレータ)の働きで冷媒を液体から気体に変化させ、その時に周りから熱を奪って空気を冷やしているのです。
一方、室外機では凝縮機が冷媒を気体から液体に圧縮し、その時に発生した熱を外に放出します。室外機から熱い排気が出ていくのはこのためです。


※モノタロウ公式通販サイトより引用


上の図を見ると室内機と室外機で2つの空気の流れがあります。「室内における吸気と排気」と「室外における吸気と排気」です。
案外知られていないかもしれませんが、エアコンというのは室内の空気と室外の空気は交じり合うことはなく、室内の空気を吸って室内に吐き出す。内は内、外は外と2つに分かれているんですね。

これと同じことをポータブルエアコンに当てはめてみましょう。
ポータブルエアコンにも、実は室内機にあたる部分と室外機にあたる部分があります。
ポータブルエアコンの側面をよく観察すると、空気を吸い込むための吸気口が2カ所あるはずです。

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※コロナ公式ホームページより引用

上の図はコロナのポータブルクーラーを上から見たところですが、青色の矢印が室内機に当たる部分で、赤い矢印の流れが室外機の部分になります。
コロナのポータブルクーラーの場合、左右の側面に2つの吸気口があるのですが、右の吸気口が室内用、左の吸気口が室外用と分かれています。

本来、左の室外用の吸気口は外からの空気を取り入れる場所なんですが、ポータブルエアコンでは左の吸気口も室内側にあるため、室内の空気を吸って室外に吐き出します。つまり、せっかく冷やされた空気が左の吸気口から吸われて、後ろの排熱口から外に排出されていってしまうのです。このことが、「ポータブルエアコンはあまり冷えない」といわれる理由の一つです。


エアコン各社によって、室外用の吸気口の場所は様々ですが、室外用の吸気口を部屋の外とつないで、外の空気を取り入れる必要がある、ということは何故かどのメーカーも書いていません。そこはあえて目をつぶっているということなのかもしれません。


ポータブルエアコンのDIYのポイントは、①室外用の吸気口の場所を特定すること、②その吸気口にダクトなどをDIYして、室外につなげてやること、この2つです。
そうすることで、外の空気の循環と、室内の空気の循環を切り分けることができ、効率的に部屋を冷やすことができます。
これによって、室内用の吸気口はおのずと車内の空気だけが循環することになるので、室内の冷えた空気が再び吸気口から取り込まれてまた冷やされて、どんどん車内の空気は冷えていきます。



先ほどのeenourのポータブルエアコンの場合、ちょうど室外機にあたる外気吸気口と熱風の排気口が本体背面にまとまっているので、そのままエアコンの背面を窓の外に向けてやれば、効率よく空気を循環させることができます。車中泊で車内に置いて使うには、このように背面に室外用の吸排気がまとまっている方が設置がしやすいので、eenourのポータブルエアコンは車中泊におすすめの1台といえます。



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