ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

リチウムバッテリーは走行充電できるのか?

ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。

今回は、これまでお話ししてきたRedodo社のリン酸鉄リチウムバッテリー200Ahと、SEKIYA100Wソーラーパネル2枚、そしてRENOGY走行充電器(DCC-30A)という組み合わせで、ハイエースに走行充電システムを接続するところまで何とかこぎつけましたので、今日はその結果についてお話ししたいと思います。

果たして走行充電は無事稼働したのでしょうか?


走行充電ではリチウムバッテリーは充電されないのか?

走行充電についてネットであれこれ調べていると、「リチウムバッテリーに走行充電器をつないでも、メインバッテリーとの電圧差が小さいためサブバッテリーは一向に満充電されない。」であったり、「リチウムバッテリーは走行充電で70%くらいまでは充電されるが、それ以上満充電しようとする場合は専用充電器を使ってACコンセントから充電する必要がある。」など、リチウムバッテリーの走行充電に関してはマイナスの記載が結構目立ちます。そういう記事を読んでいると、せっかく高いお金を出してRENOGYの走行充電器を買ったのに、こいつを使ってもリチウムバッテリーを満充電させるのはどうも無理なんじゃないか?と、作業しながらだんだん不安に包まれてきました。


「でもせっかく買ったものだし、とにかく最後までやってみて、ダメだったらそれからまた考えよう。」と自分に言い聞かせながら何とか接続を終え、ブレーカースイッチをオンにして、エンジンをかけてみたのですが、やはり案の定、発電量は「ゼロ」のままです。


「だめだったか・・・。」と内心ガッカリしてしばらくエンジンをかけていたのですが、その時、突然メインバッテリーの電流量が表示され始めたのです!

かなり落ち込んでいただけに、無事走行充電されているのを見た時は思わず、「おーーーっ!」と叫んでしまいました。

取扱説明書によれば、エンジンを始動した後、走行充電器はまずメインバッテリーの電圧を感知して、メインバッテリーの電圧が13.1V以上あることを確認すると、それから10数秒の待機後に充電が開始されるという仕組みなんだそうです。エンジン始動後しばらく充電されなかったのは、走行充電器がメインバッテリーの電圧を感知していたためだったようです。


ステータスには充電電流制限と表示されています。これは、オルタネータからは31.38A送られているけれど、走行充電器が扱える電流は最大30A以内なので、電流を絞って「29.96A」をサブバッテリーに送り出している、ということのようです。
アイドリングの状態でもほぼマックスに近い電流が流れ、400W前後の発電量が出ています。このあと少し走行してみましたが、ずっと400W以上を維持していました。

走行充電は「昇圧機能」がポイント

今回のタイトル「リチウムバッテリーは走行充電できるのか?」という問いについては、<q>「昇圧」機能のある走行充電器を使って、きちんと手順に沿って接続していけば、リチウムバッテリーでもちゃんと走行充電されるというのが答えになります。現にこうしてRENOGY走行充電器によって、リチウムバッテリーが400W以上充電できることがわかりました。


これから徐々に主流になっていくことが予想されるリチウムバッテリーを走行充電させるには、走行充電器に「昇圧機能」がついているかどうか?が大きなポイントのようです。

バッテリー間の電圧差

メインバッテリーとオルタネータ、走行充電器、サブバッテリーの相関関係を図にしてみました。


エンジン停止中のバッテリーは大体12.8〜12.9Vくらいです。先ほど書いたように、走行充電器はメインバッテリーの電圧を感知して走行充電するかどうかを判断しますから、エンジン停止中の12.9V前後の電圧では走行充電は始まりません。


次に、エンジンを始動するとオルタネーターの発電によってメインバッテリーの電圧が13.2〜13.5Vくらいに上がります。
そしてこの、「メインバッテリーの電圧が13.2V以上になったこと」を走行充電器が感知すると、走行充電器はサブバッテリーへの充電のために働き始めます。それはつまり「昇圧を始める」という意味です。


もし昇圧機能がなければ、サブバッテリーの電圧12.8〜13.2Vに対してオルタネーターが発電する電圧は13.2〜13.5Vと、その電圧差は0.5V前後しかありません。電気は電圧の高いところから低いところへ流れていくので、0.5Vの電圧差ではなかなか充電されていかないわけです。


RENOGYの走行充電器にはバッテリーのタイプを選ぶモードがあって、設定を「Lithium」に設定しておくと、充電電圧を自動的に14.4Vに昇圧してくれます。
サブバッテリーの電圧12.8〜13.2Vに対して14.4Vの電圧をかけることによってサブバッテリーへの充電が始まり、リチウムバッテリーはちゃんと100%まで満充電されるというわけです。


RENOGYの走行充電器は、充電中のバッテリーの電圧の変化に合わせて、何段階かに分けて充電の仕方を変化させています。
リチウムサブバッテリーの正常電圧は12.8V~13.5Vくらいの範囲で、12.8Vというのはサブバッテリーが力を出せるギリギリ下限あたり、一方、13.5Vというのはほぼ満タン近い電圧になります。(本当の意味での最大電圧は14.4Vなのですが、充電完了後に電圧を計ると13.5Vくらいまでしか表示されないようです)
RENOGYの走行充電器は、充電を開始して最初のうち(ある程度バッテリーに電気が貯まるまで)は「バルク充電」といって最大電流でしっかりと充電します。そして、ある程度電流が入った後は「アブソーブ充電」といって、一定の電圧で満充電になるまでじわじわと電気を貯めていくモードに変わり、最終的に100%満充電になる(サブバッテリーが14.4Vに達する)と充電を停止します。

バケツに勢いよく水をためていくと、満タン付近で水がバシャバシャこぼれていつまでも満タンになりませんよね。バケツの縁まで満タンにしたければ、最後の方は蛇口を絞って、溢れ出さないようそっと水を注いでやる。アブソーブ充電というのはあれと同じようなイメージなのかもしれません。

ともあれ、こんな風にリチウムモード(昇圧機能)がある走行充電器を使うことで、リチウムバッテリーでも走行充電は可能ということがよく分かりました。


ちなみに、うちのハイエースはディーゼル車なので、オルタネーターは充電制御タイプではなく通常タイプなのですが、通常タイプのオルタネータは、エンジンをかけると同時にオルタネーターが作動して、エンジンをかけている間ずっとオルタネーターが発電し続けてくれます。
一方、充電制御車の場合は充電制御センサーが働くため、走行中あまりオルタネータが作動してくれません。もしお使いの車が充電制御車の場合は、走行充電器を接続する際に、プラスのケーブルをつなぐ場所を一工夫してやらないといけないようです。具体的にはメインバッテリーのプラス端子に直接ケーブルをつなぐのではなく、充電制御センサーの外側にケーブルをつなぐ必要があるそうです。


ソーラーパネル併用の盲点


さて、RENOGY走行充電器DCC-30Aの特徴として、ソーラー充電と走行充電を並行して行える点にあります。
これは、一見するととても強い武器のように感じますが、実はそこにはちょっとした盲点があります。それは、走行充電とソーラー充電を同時に行う場合には、それぞれの電流値が半分ずつに抑えられてしまうということです。

専用アプリを使って、走行充電とソーラー充電を併用した場合の充電状況をモニタリングしてみたところ、走行充電とソーラー充電を併用したときの電力は、合計で340W程度と、走行充電だけの時より2割くらい充電量が落ちているのが分かります。

これは、走行充電器の最大能力30Aのうち、オルタネーターからの充電は半分の15A以内、ソーラーからの充電も残り半分の15Aまでに抑えられてしまうからです。両方を併用した方が充電量が増えそうに思いますが、実は逆なんですね。そう考えると、車で走っている間はソーラー充電を切って走行充電だけにした方が100%のキャパで充電できます。そして、車を停めている間はソーラーを使って充電してやれば、それぞれの充電方法を効率よく使い分けることができると思います。

ブレーカースイッチによる使い分け

上で書いたように、走行充電とソーラー発電を同時併用するのではなく、走行中は走行充電のみエンジン停止中はソーラー発電のみ、と場面に応じて充電方法を使い分けた方がより効率よく充電できるので、今回の走行充電器の接続では「メインバッテリーと走行充電器の間」、「ソーラーパネルと走行充電器の間」、それぞれにブレーカースイッチをかませることにしました。


今回ブレーカースイッチをかませることにした目的は全部で3つあって、まず1つ目は「ヒューズ代わり」として。本来、それぞれの機器間には規定のヒューズをかませるよう取扱説明書には書かれているのですが、ヒューズだと1回切れたら終わりなのに対し、ブレーカーなら過大電流が流れてもブレーカーが落ちるだけなので、原因を取り除いてから再びブレーカーを入れてやれば済みます。

次に2つめは「回路を手動で入り切りするためのスイッチ」としての目的。ブレーカーは手動でケーブル間を遮断するためのスイッチとして使えるので、走行中はソーラーパネル側のブレーカーを切っておけば、オルタネーター側から100%の充電量で走行充電できますし、車を停めている間は再びソーラー側のブレーカーを入れてやれば、ソーラー発電でサブバッテリーを充電することができます。


そしてブレーカースイッチの3つ目の目的は、「自分の好きなタイミングで充電を停止させることができる」という点が挙げられます。
リチウムバッテリーは常に100%満充電させておくよりも、80%くらいの状態で置いておく方がバッテリーが長持ちするといわれているので、ある程度サブバッテリーが充電されたタイミングで2つのブレーカースイッチを両方とも切っておけば、それ以上走行充電もソーラー充電もされずに、サブバッテリーは80%ほどの状態で保管されることになります。

主に週末しか車中泊やキャンプに出かけないわが家の場合、1年の大半はサブバッテリーは使わず置いたままの状態になります。走行充電やソーラー充電が活躍するのは旅に出た時だけなので、普段の日常は電流が流れない状態にしておく方がバッテリーへの負担も最小限に抑えられると考え、使わないときはブレーカーを切っておくことができるようにしたかったのです。
ただし、あまり長期間バッテリーを使わないのはかえってよくないので、週に1回くらいは電気を使ってバッテリーを動かしてやる方がいいようです。

面倒なケーブル選びが不要のオールインワンになったセットも出ているようです。これならケーブルや端子を一つ一つ探す手間も要らないのでより簡単に接続できそうですね。

今回はリチウムバッテリーの走行充電について見てきました。素人の私でも走行充電とソーラー充電を併用しながら使い分けられるRENOGYの走行充電器は、なかなかおすすめの一台だと思います。
無事走行充電できるようになりましたので、今後は電気製品の一元化や配線の整理などをして、車内での操作をよりスッキリ使いやすくしていこうと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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