ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
前回のつづきで、車中泊DIYをしていく上での、自作の方向性とそのポイントについて書いていきたいと思います。
3.壁面に対する考え方のポイント
さて、ハイエースの高さと前後方向について考えてきました。次はハイエースの壁面についての考え方です。
壁面という場合、普通は後部荷室の壁面をさしますが、うちのハイエースのように片側スライドドアの場合には、後席シートの右側も壁面というとらえ方ができます。
これは、車中泊仕様を考える上で実は大きなアドバンテージだと思っていて、わざわざこの片面スライドドアを選んだくらいです。
これが両面スライドドアだと、運転席からの物の出し入れには便利なのですが、左右どちらの開口部も収納的な使い方はできません。またドアステップの段差も両側にあり、床面も使いにくい状態になってしまいます。
うちはこの後席シートの右足元にスアオキG500を2台、そして木製ラックと引き出し、その上に冷蔵庫を置いています。冷蔵庫はラックの上で台座ごと90度回転しますので、後席シートを倒すときは冷蔵庫をクルッと回転させてかわします。
冷蔵庫の高さは、人が座った肩くらいの高さなので、窓がふさがってしまうこともなく、視界はさえぎられません。
一方、後部荷室の壁面については、片面をウッドラック兼ミニ収納にしてあり、もう片側は断熱シートで塞いでソファを設置しています。
はじめのころは両方の壁面に棚を設けて荷物を載せたりしていたのですが、棚や荷物がちょうど顔の高さにくるため、これがたいへん圧迫感がありました。
荷室をリビングルームとして考えるとき、背中を壁にもたれて座れる環境を作ることは、リラックスできる空間づくりに欠かせません。
壁面はなるべくフラットにして出っ張りをなくし、家族4人が思い思いに壁にもたれて寛げるように、うちの場合は左右どちらの壁もできるだけフラットになるように考えました。
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4. リアゲートに対する考え方のポイント
車中泊DIYにおけるリアゲートの存在は、考え方によってはもう一つの居住スペースという使い方の可能性を秘めています。
リアゲートを跳ね上げるとゲートは屋根になり、ゲートの周りを何らかのシートで囲えば外からの視線はカットできます。
サーフィンなどではこのスペースは着替えの際にとても役立ちますし、使いようによってはトイレにもなるでしょう。
もしシートやカーテンを設置するなら、ゲートの左右と正面とは別の生地、つまり3枚仕立てにすることをお勧めします。
1枚の生地で囲ってしまうと、それ以外の使い方はできなくなりますが、3枚なら左右だけにして正面は空けておくとかアレンジが可能です。
例えば湖畔とか、海辺とか、森の入り口とか、車の停め方によってはリアゲートの外側に素敵な景色が広がっている可能性があります。そんな時は正面のカーテンは無しにして、左右からの視界だけを遮断すれば、絶景を目の前に自分たちだけのプライベート空間を確保することができます。
そこに小さなテーブルセットを出せば、家族で食事を楽しむこともできますし、静かな夜のひと時を過ごすこともできます。
ただしくれぐれも道の駅など公共スペースでリアゲートを跳ね上げて自分たちだけ好き勝手することはマナー違反ですからご注意を。
リアゲートのもう一つの使い方は収納です。
例えばリアゲートにネットを設置すれば、ここに布団やシュラフを収納することができます。
リアゲートを閉めれば布団は自然に圧縮されるので、リビングルームにせり出すことはありません。
5. 床下収納に対する考え方のポイント
ミニバンクラスでの車中泊とハイエースとの一番の違いは、ベッドキットを作ったベッドの床下に広大な収納スペースが設けられるという事です。
荷室の広さが1.5メートル×1.8メートル、高さ25センチとすると、収納スペースの大きさは675リットルになります。ざっと家庭のお風呂くらいの容量があるということです。
そこを最大限活用すれば、ベッドの上には何も置かなくてもいいはずなんです。
ただ、床下収納を最大限活用するには、物の取り出しやすさ、つまり床を開けて下の物を取り出すやりやすさにかかってきます。
うちはベッドキットを多分割方式にして、車外に出ずに下のものを取り出せるようにしています。考え方のヒントは、スライドパズルのようにして、床下にいくつかのコンテナボックスを配置し、中央部分には何も置かないようにして、前後左右からコンテナボックスを中央へスライドさせるやり方です。
こうすれば床の開口は中央だけ開け閉めできればよくなります。
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最後に、車中泊DIYの素材選びですが、後々の拡張性やアレンジのしやすさ、レイアウト変更のしやすさ等から考えると、木が一番です。
木ならどこへでもネジが打てますし、切ったりつないだり加工も楽です。
イレクターは後々の融通がききにくいのと、見た目がオシャレでないこと。案外重くなることなど、あまりおすすめしません。
どうか、皆さんの素敵な車中泊DIYが実現しますように!
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