ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
さて、今日は車中泊における寝具について考えてみたいと思います。
ずばり、寝袋がいいのか布団がいいのか?
寝具に求める機能性
まずは車中泊のことを少し脇に置いて、寝具に求める機能について考えてみたいと思います。
一般的な寝具の条件としてまず、寝心地が良いこと。適度に暖かいこと。
それから、もう一つ大事なポイントは「使い慣れていること」
こればかりは普段の生活習慣に直結していますので、他人が基準を決めるわけにはいきません。よく、使い慣れたマクラがないと眠れないといいますが、マクラだけでなく布団も同じで、布団環境が変わると眠りが浅くなってしまうことがあります。
車中泊というと、仮眠というイメージを持たれる人もいるかもしれませんが、くるま旅をする上で夜の睡眠はとても重要で、疲れや寝不足は事故のもとです。特にファミリー車中泊では、ドライバーがしっかり睡眠をとることが家族の命を守ることにつながります。
そう考えると車中泊であっても、いや、車中泊だからこそ、寝具選びはとても重要な要素の一つなのです。
いきなり結論から書いてしまいましたが、そういう意味では普段使っている布団とマクラを車中泊にも持っていくのが一番です。
ただ、荷物の積み下ろしの問題や、普段使ってる布団を持ち出すことに対する抵抗感もあるかもしれません。車中泊に持っていくと汚れる、と敬遠される方もおられるかもしれませんね。家族4人分の布団を毎回車に運んで積んでいくなんて、とても嵩張るし大変です。
寝袋という選択肢
家の布団を毎回積み下ろしするなんて無理。というところから、「車中泊に行くなら寝袋が必要」という図式が何となくあるようです。車中泊=寝袋というイメージになるのは、車中泊とキャンプがひとくくりに捉えられるところからきている部分もあるかもしれません。
たしかに寝袋はコンパクトになりますから積み下ろしは楽です。ただ、寝袋1枚で熟睡できるかというとかなり厳しいと思います。おそらく、寝袋1枚で寝た翌朝は全身の筋肉がこわばって節々が痛い思いをすると思います。
これは、寝袋の狭さと、敷きとしての役割の弱さが原因です。
寝袋には大きく分けて「封筒型」と「マミー型」の2種類がありますが、特にマミー型の寝袋は寝返りをうつこともままならず、寝ている間も無意識に身体が緊張した状態が続くので、リラックスして深い眠りに入ることができないので、車中泊にはあまりお勧めできません。
マミーという名前は寝袋がミイラの形に似ていることからミイラを意味するマミーと名付けられているとおり、本当にミイラのような形で眠ることになります。これは狭いテントに体を寄せ合って眠るため省スペースな作りになっているとともに、寒い雪山で体温を逃さない構造を考えて作られているわけですが、寝ている途中で自由に身体を曲げたり体勢を変えたりできないのは本当に窮屈です。
キャンプ用品の特集などをみると、登山用のかなり高級なマミー型寝袋がオススメとして紹介されていますが、こと車中泊に関してはこういう寝袋はやめておいた方が無難です。
それならまだ封筒型の寝袋の方がマシと思いますが、その場合も封筒型のまま使うのではなく、ファスナーを外して1枚の掛け布団として使うことをお勧めします。封筒として使う場合、寝袋1つが掛けと敷きを兼ねるわけですが、そうではなく寝袋はあくまで掛け布団として使い、敷きは別に用意するのです。
敷きと掛けを分けて考える
寝袋というのはそれ1つで掛けと敷きを兼ねるわけですが、掛け布団と敷布団はそもそも求められる機能が全く違うので、車中泊においても掛けと敷きは別々に考えるべきです。
特に、車中泊をしていてつくづく感じるのは敷布団の大切さです。
大前提として、車中泊の床面ができる限りフラットであることは、敷布団以前にとても重要なのですが、車内をフラットにするための工夫についてはまた別の機会に考えることにして、ある程度床がフラットにできたという前提で、敷きのことを考えてみます。
ここで重要なことは、家の布団と大きくクッション性が違っていると寝心地に影響するだけでなく、腰痛や肩こりの原因になるということです。なるべく普段の就寝環境に近づけることがポイントです。
さて、車中泊の敷布団として考えられる候補としていくつか挙げられます。
たとえばインフレータブルマット。
広げると自動的に空気が入って膨らむ自動膨張式のロールマットのことです。
これを使ってみた感想としては、クッション性はあるけれど、ブヨブヨして寝心地は良くないという感じです。
ブヨブヨというのは、寝返りなどの体動がマット全体に波紋が伝わることによるものです。
エアマットも同じなのですが、内部が一つの空気層で満たされているので、足の動きが頭まで伝わります。つまり、寝ている時に少し体を動かすたびに頭がゆらぶられて目が覚めるんですね。眠りはどうしても浅くなります。
また起きてからの片付けも、空気を押し出しながら丸めていくのが案外手間がかかります。
ロール式のヨガマット。
厚さ5mmくらいのやつ。これ1枚では物足りないですが、ウレタンマットレス等と組み合わせるならヨガマットも悪くはありません。クルクル巻いての収納になるため意外と場所をとるのがたまにキズですが、収納の問題がクリアできるならこれもありかもしれません。
銀マット。
一番下に敷くことで下からの冷えを遮断する効果は期待できますが、これを敷きのメインとして使うのは若干役不足のように思います。
ウレタンマットレスと組み合わせるにしても銀マットの硬さではマットレスの柔らかさを生かすことができないことと、これも収納の問題があり、コスト的には安いですが車中泊に使うのは少し考えどころです。
ウレタンマットレス。
ニトリなどで売っている3つ折りとか4つ折りの、厚さ5センチくらいの安いマットレス。
あれのことです。これまでにいろんな素材を試しに使ってきた中ではこれが一番良いように思います。
このウレタンマットレスに加えて、次に紹介するラバーマットを組み合わせるのが一番うちには合っている気がします。
ラバーマット。
ホームセンターなどで売っている厚さ10mmくらいの養生ラバーマットです。PVC素材というんでしょうか?発泡ゴムといったり、ニトリル素材という名前で検索すると色々出てくると思います。うちの近くのホームセンターコメリにいくとコンパネサイズのラバーマットが1500円で売っています。
これを車の就寝スペースに合わせてカットして、ウレタンマットレスと組み合わせて使うとちょうどいい感じの沈み加減になって、体圧分散の低反発ベッドみたいな感じになります。
シングルサイズのウレタンマットレスが、ニトリで2000円くらいで売っています。2枚合わせて3500円ならコスパもなかなかではないでしょうか?
車中泊の間、車の後ろ部分を常時フラットにしておけるのなら、ウレタンマットレスとラバーマットで就寝スペースをこしらえておけば、いちいち寝る前に展開しなくても済みますし、ラバーマットの表面は適度にハリがあるので、マットを敷いたままで食事スペースとして使うことも可能です。
うちのハイエースは最近このパターンがほとんどで、マットを敷いた上で食事したり寛いだりして過ごし、そして寝る時はマクラと掛け布団を出せばベッドルームに早変わりです。
この方法の利点は、万一子どもが飲み物などをこぼした時に、ラバーマットが敷いてあると被害が出ずに済むんですね。
これのおかげで何度助けられたことか。
ファミリー車中泊にはとてもオススメの方法です。
掛け布団について考える
次に掛け布団について考えてみましょう。
車の中で寝る場合、よほどの寒冷地や真冬を除けば、車内が氷点下まで下がることは少ないですから、高めの寝袋を1つ買うよりは、ニトリあたりで安めの羽毛布団を買う方がよほど熟睡できると思います。羽毛布団は軽い上に、たためばとてもコンパクトになりますから、もし、車中泊用に新たに買うとすれば、寝袋を買うより安い羽毛布団をおすすめします。
これと毛布を1枚あれば冬の車中泊も十分大丈夫です。
もし、既に家に封筒型の寝袋などがあるなら、わさわざ新たに掛け布団を買わなくても、寝袋と毛布でもいいと思います。この場合、寝袋はファスナーをフルオープンにして、掛け布団として使います。
ちなみに、寝る時は先に毛布ではなくて、布団をかけた上に毛布を重ねた方が空気の層ができてより温かいです。
寝具の収納
さて、車中泊の寝具を考える時、寝心地に加えてもう一つ、使わないときの片付けと置き場所の問題があります。
ある意味、車中泊の荷物の中で寝具類が一番場所をとるのではないでしょうか?
敷きに関しては、先にも書いたとおり、もしウレタンマットレスとラバーマットを敷いたままにしておけるなら、それが一番楽です。
またワンボックスカーなら後部スペースに、くの字に折りたたんでソファとして利用する方法もあります。敷布団としてのみ考えると昼間は邪魔ですが、ソファとして使えば昼間も活用できます。くの字にたたんで上から好きな色の布地をかければ簡易ソファの出来上がりです。
これもなかなかオススメの方法です。
次に掛け布団の収納ですが、スーパーのカゴにかけられるタイプのエコバッグを活用する方法がオススメです。
エコバッグはそこそこの大きさがあり、口も広く開くので、そこに無造作に掛け布団を放り込んで最後に口のヒモをキュッと引いて縛るだけです。
掛け布団はそのままではかさばりますが、袋に押し込めば空気が抜けて小さくなりますし、仮に寝袋を使う場合でも、元々の寝袋の小さな収納袋にしまうより、エコバッグに放り込む方が断然片付けが簡単です。
もう一つの方法は、リアゲートにネットを取り付けてそこに収納する方法です。これも無造作に放り込んでおける上に、リアゲートを開けておけば風通しがよくて、湿った布団を乾かすこともできるので一石二鳥の方法です。
毎朝の布団の片付けがかなり楽になりますので、是非お試しください。
さて、最後にマクラですが、やはり熟睡にはマクラが一番大切です。
今まで車中泊用に小さめのマクラを買って試してみたり、いろいろトライしてみましたが、結局、ちゃんと寝ようと思ったらある程度ちゃんとしたマクラが必要という結果になりました。
車中泊の頻度が年に2〜3回なら、その都度家のマクラを持っていくのが一番無難です。
もし、本格的に車中泊の回数が増えてくるようになれば、車専用にマクラを買い揃えるのも一つの方法です。横幅60センチくらいのマクラがあると、寝返りをうっても首の角度が変化しにくいので安眠度が違います。車中泊用だからとコンパクトなマクラを選ぶと、首が安定せず肩こりや睡眠不足の原因になります。
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