ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

冬の車中泊の結露対策

窓ガラスの結露 ※インターネットから引用

ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。


今回は、冬の車中泊に必ずついて回る「結露の問題」に焦点を当ててみたいと思います。

結露の大半は人間の呼吸

冬に限らず、夏場でも車中泊をすると窓の内側がどうしても結露してしまいます。
これは、人間の身体から出る水蒸気が、窓の冷気で冷やされて水滴になるためですが、冬は、特に外気と車内の温度差が大きいのでとても結露しやすい状況になります。

人間の身体から出る水蒸気は、主に不感蒸泄(体の表面から知らない間に放散される水分)と、呼気(人の吐く息)に含まれる水分の二つですが、中でも呼気からの水分が一番結露につながりやすいです。

人は空気を吸って(吸気)、空気を吐きます(呼気)。
1回の呼吸は約0.5リットルほどです。1分間の呼吸回数は18回ほどですから、1分当たりの呼吸量は9リットルほどになります。そのうち、呼気中に含まれる水分量は1リットルあたり約35mgと言われていますので、1分間の呼気中の水分量は315mg、1時間に直すと18900mg(便宜上1000mg=1mlとすると、約18.9ml)となります。夜8時間寝た場合、1人18.9ml×8時間=約151ml、子どもは2人で大人1人分と考えて、4人家族なら一晩に約450mlもの水分が呼気から排出されるわけです。
昼間なら適宜換気されますので問題はないですが、夜間は窓を閉じて換気がされずに室内が密閉に近い状態ですから、排出された水分はどうしても窓に結露してしまうのです。これにさらに不感蒸泄も加わりますから、窓が結露するのは当たり前といえます。

車内の水分はどこへ?

さて、このようにして体内から排泄された水分はどこへ行くのでしょう?
窓に結露したものは水滴に変わり、窓をつたって窓枠を濡らしたり、さらにはドアの内張を濡らすこともあるでしょう。あるいはシートの表面から染み込んでいく場合もあるかもしれません。


家なら、室内の壁の下地(石膏ボード)が水分を吸収し、昼の間に放散されて、家自体が呼吸するようにある程度水分を調整してくれますが、車の車内は発生する水分量に対して水分を吸収できる部分が少ないので、一度染み込んだ水分はなかなか抜けず、布地の奥深くまで染み込んで、これがやがてカビの原因になります。
シートの奥深くに発生したカビはとても厄介です。カビ取りをおこなったとしてもクッションの奥の方のカビまでは取り切ることができず、車内にカビの臭いがたちこめるようになります。このほかに、エアコンのフィルターなど不織布が使われている部分も大変湿気を吸いやすいため、こうした場所に放出された水分が吸着してカビが発生し、翌年の夏にエアコンを使ったときにはじめてカビ臭さに気づきます。
このように冬の間はあまり湿気の影響を感じないのですが、暖かくなるにつれて「いやな臭い」が現れてくるのです。

カーテンや遮光シートは結露に効果あるの?

私のこれまでの車中泊経験からいうと、カーテンもサンシェードも、結露対策としてはほとんど効果はありません。

厚手のウレタンマットなどで断熱遮光シートを作り、窓の表面とシートが密着するように隙間なく、窓の形状に合わせてピッタリはめこめば、結露は防げます。ただ、あまりピッタリサイズの断熱シートだと、つけ外しに時間がかかってしまいますし、それ以前に、先ほども書いた通り、そもそも人間から排泄される水分量自体は変わりがないため、排出された水分は窓に結露しない代わりに車内のどこかへ染み込んでいってしまうことになります。


根本的な結露対策には「換気」が一番

夜の間に窓ガラスが結露すると、翌朝の出発前に窓の内側を拭き取らなければならず、手間もかかりますし窓がぎらついて視認性が悪くなったりします。拭き取らずにデフロスターで強制的に乾かそうと思うと、かなりの時間アイドリングさせなければなりません。
このように、冬の車中泊の結露はなかなか厄介なのです。特にフロントウインドウの結露が一番厄介ですよね。


このように厄介な結露を防ぎ、かつ、シートや布地への水分の浸み込みも防ぐ方法としては、何よりもやはり「換気」が一番です。
空気が循環することで、車内の湿った空気を外へ出してやるのです。冬の車中泊では、寒さのためつい窓を全部閉じてしまいがちですが、結露を防ぎ、車内がカビることを防ぐには、窓を開けてやるのが一番なのです。
といっても寒い冬のことですから、窓を一晩中全開にしておくなんてとても無理です。うちがお勧めする方法は、フロント側の運転席と助手席のサイドガラスを2~3センチほど薄く開けておく方法です。できれば、フロント部分とリアの就寝スペースの間にカーテンなどを1枚垂らすことで、後ろ側で発生した水蒸気がフロントへ流れていくのを多少防ぎつつ、フロント側の少し開けた窓から冷気が後ろへ流れていくのを多少防ぐことができます。(あくまで「多少」です)

人は夜眠るとき、お布団を身体にかけますが、顔だけは唯一外気にさらされています。人間の体の中で顔は一番寒さに強いのです。仮にフロントの窓を少し開けて寝た場合、首から下さえしっかりお布団の中にくるまっていれば、外からの冷気が多少顔にかかってもそれほど寒さは感じません。うちは、フロント側に私が寝て、リアのベッドに奥さんと子どもたちが寝ているのですが、これまでの冬の車中泊の経験上、フロントの窓が開いていてもリアで寝ている子どもたちも奥さんもほとんど気づかず寝ています。一番フロントに近いところで眠りにつく私にすれば、横たわった顔のすぐ上の窓が夜通し開いていて、そこから冷気が侵入してきますが、夜中に寒さで目覚めるようなことはありません。


ただ、あくまでこれは外気温が氷点下4~5℃までの環境での車中泊での話しで、北海道や真冬の信州など、外気温が氷点下15~20℃にもなるような極寒の場所での車中泊は想定していません。そのような場所で車中泊をする場合には、窓からの冷気はカーテンなどでは到底遮断できないので、しっかりした断熱素材ですき間なく窓をカバーして冷気を防いでやる必要があります。ただし、やはり夜間に水蒸気は発生してしまいますので、車内は湿っぽくなり、カビ発生の問題は残るでしょう。

案外見落としがちなスキーウェア等の水分

よく見落とされがちですが、スキーウェアや手袋、ブーツなどの水分が予想以上に車内の湿度を上昇させます。スキーやスノボのあと、雪がついたままのギアをついそのまま車内に持ち込んだり、脱いだウェアやグローブなどを車内に吊るしたりすると、これらウェア類に含まれる水分量はかなりのものなので、車内が水分で飽和状態になります。エンジンをかけて長い時間ヒーターをかければ水分は多少とびますが、ヒーターのない寒い車内に吊るしただけでは一晩おいてもウェアは乾きませんし、車内はウエア類からの水分過多で窓が曇るほどになってしまいます。


このようなスキーに関連した水分過多に対しては、例えば、午後少し早めにスキーを切り上げて、レストハウスで休憩がてらウェアやグローブの水分をある程度干してから車に戻るようにすることや、もう一つは、脱いだウェア類は車内に吊るすのではなく、防水性のバッグや蓋付の衣装ケースなどに入れて、湿気が車内に出ていかないようにしておくことで、ある程度は防ぐことができます。

「そんな面倒なことやってられない」、あるいは「翌朝、濡れたままのスキーウェアを着るのは冷たすぎる」と思うかもしれません。たしかにその通りなのですが、そもそも濡れたスキーウェアを車内のヒーターだけで乾燥させようと思うこと自体に無理があります。

暖房が効いたホテルの室内であれば、濡れたウェア等を干しておく方がウェアが乾燥するとともに室内の湿度がほどよく上昇してちょうどよいバランスになるのですが、エンジンを切って冷えた車内にウェアを干すのは車内のファブリックやウレタン部分へのカビの問題があり、あまりお勧めできません。

それくらい真冬のスキー場での車中泊は水分との闘いなのです。


今回は、冬の車中泊の結露問題について考えてみました。
結露は、表面に見えているガラスの内側の水滴だけの問題ではなく、シートや布地の奥に浸み込んでしまうとカビの原因になるので、思った以上に厄介な物です。
冬場でも適切に換気をすることで結露を防ぐことはできますから、「冬こそ換気」を心がけるように気をつけたいものですね。


最後まで読んでいただきありがとうございます。

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