ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。
今回は車載冷蔵庫の電源供給に関する話題です。
これまで車中泊で使う冷蔵庫の電源供給に関していろいろと試行錯誤してようやく現在の方法にたどり着きました。今日はそのことについて皆さんと情報共有したいと思います。
車載冷蔵庫はAC・DCどちらで使うべきか?
車載冷蔵庫の種類にもよると思いますが、直流、交流のどちらでも使える2WAY冷蔵庫の場合、AC用とDC用の2種類の電源コードが付属していることが多いと思います。ACコンセントから電源を取る場合はAC用、シガーソケットから使う場合はDC用のコード(先端がシガープラグになっているもの)を使うわけですが、みなさんは普段どちらの電源コードを使っておられるでしょうか?
別にどっちでもいいようなもんですが、これが実は結構違いがあるんですね。
まず、基本的なこととして、うちでは車のシガーソケットからは電気をとらないようにしています。
これはバッテリーへの負担を減らすためです。
過去にシガーソケットから冷蔵庫の電源を取ったせいでバッテリーが上がって交換を余儀なくされたことがあり、走行中の持続的なシガーソケット使用はバッテリーにとって致命的であると痛感しました。
車載冷蔵庫は極力ポータブル電源やサブバッテリーシステムから電源をとるようにしましょう。
さて、次に車のシガーソケットからではなくポータブル電源やサブバッテリーから冷蔵庫を使う場合、ACコンバーターを介して交流で使うか、ポータブル電源のACコンセントからACケーブルを使っておられる方が案外多いのではないかと思います。私も長い間そうしていました。
けれど、この方法は実は電力をかなりロスしているということに気づいたのです。
ポータブル電源もバッテリーシステムも、基本的にバッテリーが作り出す電気は直流です。この直流の電気をACコンバータを介していったん交流電源に変換してから冷蔵庫に供給するわけですが、ACコンバータでDCからACに変換する際に変換ロスで電気を消耗してしまいます。
しかも、冷蔵庫の電源差込口は直流なので、ACコンバーターでいったんDCからACに変換した電気を、ACアダプターによってもう一度直流に変えてから冷蔵庫に電気を供給していることになります。
なんという二度手間でしょう!
冷蔵庫の差込口に入る電気は直流なのに、バッテリーで作り出された直流の電気を⇒ACコンバータで交流に変換⇒ACアダプターでもう一度直流に変換という2回の変換を経て直流に戻して流しているわけです。
普段、家ではいちいち変換ロスなんて考えもせず、コンセントを挿せば電気はいくらでも使えるものと考えがちですが、車中泊でのポータブル電源という限られたエネルギー資源となると、一気にエネルギーの変換効率の問題がクローズアップされてきます。
最終的に車載冷蔵庫に供給する電気が直流なのであれば、DC⇔ACの変換という無駄な手間を介さずに、直流で作られた電気をそのまま直流で流してやるのでもっとも効率的です。
つまり、
車載冷蔵庫は直流電源で使うべし
これが今回のテーマの答えになります。
変換ロスによる目減りは1〜2割
ポータブル電源の直流を交流に変換する際には変換ロスが生じていて、その損失は1〜2割ともいわれています。機種によって変換効率は異なるので一概には言えませんが、例えば容量が500Whの電源であれば、変換で1〜2割減るので実質的に400〜450Wh程度ということになります。
これをさらにACアダプターで直流に変換するわけですから、ここでも1割ほどの熱損失が生じます。
ACアダプターを触ると温かく感じるのはアダプターが変換するときに熱が発生しているからなんですね。
ポータブル電源においては、同じ量の電気を取り出すにもACとDCでは使える電気の総量が変わってくるということです。
冷蔵庫を使わない時の電源OFF
さて、紆余曲折ののち、現在は直流電源で使用しているわが家の車載冷蔵庫ですが、ポータブル電源の置き場所をリビングの床下に移動したタイミングで、車載冷蔵庫とポータブル電源との接続部分にON/OFFスイッチをかませることにしました。
ポータブル電源と冷蔵庫の電源を物理的に(強制的に)入切できるようにするためです。
というのも、ポータブル電源に冷蔵庫のDCプラグを挿した状態で、ポータブル電源の主電源を手動で切っておいても、翌日ソーラーパネルからの電気入力が入ると知らない間にポータブル電源が起動してしまうということがあり、切っていたはずの冷蔵庫が勝手に動き出すことがあるのでした。
車中泊に出ている間はずっと24時間稼働させている冷蔵庫ですが、普段の平日の間は冷蔵庫は使わないので、できれば電源は切っておきたいのですが、平日の知らない間に電源が入ってしまうことがあり、週末にそのことに気づき、ポータブル電源の残量が空になっていたということがこれまで何度かありました。
これを避けるには、物理的にDCケーブルの間にスイッチをかまして、平日冷蔵庫を使わないときはスイッチを切っておくしかありません。
そこで、こういう5連タイプのシガーソケットをポータブル電源と冷蔵庫の間にかますことにしました。
このシガーソケットの入切スイッチをOFFにしておけば、万一日中にポータブル電源が作動しても冷蔵庫は電源が入らないので作動しません。
そして、車中泊に出る時はポータブル電源のスイッチを入れてシガーソケットのスイッチをONにすれば冷蔵庫が作動します。
ポータブル電源は自己放電するか?
ポータブル電源は使わずに置いておくだけでも残量は減っていくのか?という質問を時々目にすることがあります。
これに対する答えは
リチウムイオンやリン酸鉄等から作られたポータブル電源は、主電源が切られた状態で保存した場合には電気の残量が自然に減っていくいわゆる自己放電は起こりにくいといわれています。まったく自己放電しないということではないですが、1~2か月使わなかったとしてもそれで残量がゼロになってしまうような自己放電は起こりにくいと思います。メーカーからは「数か月に1度程度は残量の確認をしておくことが望ましい」という説明をされているところが多いようです。
これはしかし、「主電源を切った状態」での話しですから、うっかり主電源を入れたままにしていると知らない間に放電して残量がなくなってしまうということは起こりえると思います。
特に、ポータブル電源のAC側に家電製品のコンセントや延長ケーブルなどを挿した状態にしていると、知らないうちにケーブルから微量の電気が流れ続けている場合がありますし、ポータブル電源のAC利用時は時々放熱のためファンが回る機種もありますので、そういったところからも少しずつ電気が目減りしていく場合があります。
まったく使用していないポータブル電源がいつのまにか電気量が減ってしまっていたという場合は、電源の切り忘れやケーブルをつないだままになっていないか?などをチェックしてみることをお勧めします。
今回は車載冷蔵庫をポータブル電源で使う場合のACとDCについて考えてみました。同じ量の電気でもACとDCでは取り出せる電気の総量が違ってくるということがわかりました。
ポータブル電源という限られたエネルギー資源をいかに効率よく無駄にせず使うか?ということを考えるプロセスは、実はそのまま現代社会の省資源の問題にもつながっていると思います。
もしかすると、将来電気料金は携帯電話のパケット代と同じように「月○○kwまで■■円」みたいに制限付きの供給に変わる日がくるかもしれませんね。ある意味、そうした方がみんなの意識が「電気は有限」だと気づくきっかけになるかもしれません。
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