ハイエース4人家族で車中泊〜ナローボディでも快適なバンライフを〜

ビルダーのカスタムはとても素敵だけれど、紹介写真には荷物が載っていない。実際の車中泊は荷物との闘い。狭苦しい車内をいかに効率的に収納を工夫するか、4人家族でも楽しく快適なバンライフが送れるブログをお届けしています。

ソーラーパネルの並列と直列




ナローボディのハイエースをいろいろ工夫して、家族4人で車中泊やバンライフを楽しんでいます。

今回は車載ソーラーパネルにおける直列と並列について考えてみたいと思います。

直列と並列の違い

うちはハイエースの屋根に100Wのソーラーパネルを2枚載せています。ケーブルの接続は直列にしています。
ソーラーパネルを複数枚設置する場合、パネルのつなぎ方は直列がいいのか並列がいいのか?という質問をたまにお聞きします。車載ソーラーパネルは一般の家庭に設置する場合とは少し状況が異なりますので、あくまで車載用として考える方がいいように思います。




車載ソーラーパネルにおける直列と並列のメリット、デメリットを考える前に、まずは直接と並列の違いについて簡単におさらいしておきたいと思います。


直列は、乾電池でいうと縦に一直線に並べた形、つまり『+』と『-』を順番に繋げる方法です。ソーラーパネルにおける直列では、各パネルの接続ケーブルを隣のパネルのケーブルと順に、『+』と『-』を繋いでいけば直列になります。
直列ではソーラーパネルの枚数分だけ電圧は増えていき、一方、回路内を流れる電流は、パネルが増えても一定のままです。


次に並列ですが、乾電池でいうと横にずらっと並べて『+』同士、『-』同士を繋げ、ひとまとめにするやり方です。この場合、いくつ繋げても電圧は一定のまま、それに対して回路内を流れる電流は増えていきます。ソーラーパネルを並列に繋ぐ場合には、各パネルのケーブルを、『+』ばかり集めて一つにまとめ、また『-』ばかり集めて一つにまとめるための「並列用ケーブル」が別途必要となります。
並列用ケーブルはソーラーパネルの枚数によって2枚用、3枚用…とありますので、使用するパネルの枚数によって別途ケーブルを購入する必要があります。


直列と並列の概念を整理しますと

直列では電圧は増えるが電流は一定
並列では電圧は一定で電流は増える

という関係になります。トータルのワット数はどちらも同じです。


直列・並列の概念は中学の理科で習ったと思います。当時、乾電池の実験でやった直列、並列では、電池を直列にすると電池1本の時より豆電球は明るく光り、並列にすると豆電球の明るさは変わない代わりに電池が長持ちしたと記憶しています。
理科の実験では
『直列は電流は一定のはずなのになぜ豆電球は明るくなるのか?』
『並列では電流が増えるはずなのになぜ豆電球の明るさは変わらないのか?』

という疑問が出てきます。これは、豆電球の負荷の問題が関係しているからなのですが、このことを考え出すと、乾電池から取り出せる電流という深みにハマってしまって、ソーラーパネルの直列、並列と頭がこんがらがってしまいますので、今回は置いておくことにしましょう。
今更ですが、乾電池の実験というのは案外奥が深かったのですね。


少し話がそれました。

繰り返しになりますが、ソーラーパネルにおいては、「直列では電圧は増えていくけれど電流は一定」、「並列の場合は電圧は一定で、流れる電流は増えていく」、というのが基本の考え方になります。

このことが、ソーラーパネルの直列と並列を考えるためのヒントになります。

車載ソーラーパネルにおけるメリット・デメリット

さて、それではソーラーパネルを車の屋根に積んで使用する場合、直列、並列どちらがいいかということを考えてみたいと思います。

直列のメリット

メリット1
直列ではソーラーパネルの枚数が増えると、その枚数分だけ電圧が上がるため、ケーブルを電気が流れる時の電力ロスが減ります。家の電気が高圧線で送られているのと同じ原理ですね。
高圧で電流を送る方が、作られた電力をロスなく送ることができるわけです。


メリット2
またパネルを増やすと電圧は上がりますが、流れる電流自体は変わらないので、ケーブルを太くする必要がない、というのが直列のもう一つのメリットになります。ソーラーパネルをあとから2枚に増やす場合でも、今使っているケーブルをそのまま使うことができます。
逆に、ソーラーパネルを並列に繋ぐ場合は流れる電流が増えるため、ケーブルを太いものに買い替える必要があります。
電気を考える上で、電圧が増えるより電流の量(アンペア)が増えることの方がより危険が高まります。同じ電力なら高電圧にして流れる電流を少なくする方が安全というわけです。


メリット3
直列では並列接続のように別途並列用ケーブルを購入する必要がないこともメリットです。直列の場合はソーラーパネルから出ているケーブルの+と-の端子を順番に繋いでいき、最後に両端のケーブルを充電側へ繋ぐだけですから、追加で接続ケーブルを買う必要はありません。
逆に並列の場合は+同士、-同士の端子を一つにまとめるための並列用ケーブルが別途必要となり、その分コストがかかります。

メリット4
ポータブル電源や充電コントローラーがMPPTコントローラーを搭載している場合、直列に繋いで電圧を上げることで、捕らえられる電力の範囲が大きくなるというメリットがあります。
ポータブル電源や充電コントローラーがMPPT方式の場合は直列に繋ぐ方がメリットが大きいということになります。


メリット5
もう一つ、直列のメリットとして日照の変化に強いことが挙げられます。直列にすると電圧が上がるため、日照条件が悪いときでも、最低の充電電圧値を保持することができます。
これはつまり、曇りや雨の日でも直列なら多少の発電量が見込めるということになります。

直列のデメリット

逆に直列のデメリットを考えてみましょう。
ソーラーパネルを直列で接続した場合、複数のパネルが全体で1枚のパネルとして認識されます。そのため、複数パネルのうちどれか1枚のパネルが万一故障したり、影にかかって発電ができない場合、全てのパネルが発電できなくなってしまいます。

並列のメリット

一方、並列では一枚のパネルが発電出来なくなってしまった場合でも、もう一枚のパネルは正常に発電できます。家庭用の発電システムでは、設置する土地の環境によって部分的に日陰になったりすることがありますから、電力ロスを最低限に抑えるために並列にする場合が多いようです。

並列のデメリット

ソーラーパネルを並列に繋ぐ場合、先にも述べたように並列専用のコネクタや延長ケーブルが必要になり、そのための別途コストがかかります。また接続部品やケーブルが増えれば、それだけ部品抵抗が増えて電力ロスが大きくなります。


また、並列では電圧は元のままなのに対して流れる電流が増えるため、使用するケーブルを太いものに買い替える必要があります。流れる電流が増えると、電線内を沢山の電気の粒が流れて抵抗による熱が生じます。
熱は電力ロスになるだけでなく、ケーブルが細いと最悪ケーブルが焼けて発火する危険もあります。流れる電流量によって必ず適正な断面積のケーブルを選びましょう。


ちなみにケーブルの太さを表すのに「sq」という単位が用いられます。「スケア」と呼んだり、略して「スケ」といったりしますが、これは英語の「スクエア」つまり四角形のことを指す言葉の日本語なまりです。
ケーブルの断面は丸いですが、これを平方センチ(○○㎠)として表しているわけですね。
2スケとか4スケという言い方をしますが、要するにそれは断面の表面積が2㎠、4㎠だよということです。


このようにソーラーパネルの直列と並列の選択は、家庭用のソーラーパネルの場合と少し違う視点で考える必要があります。家庭用ソーラーパネルでは、日照の変化で一部のパネルが日陰に入っても、全体的に安定して電気を作るため、パネルを並列に繋ぐことが多いようですが、車の屋根に載せるソーラーパネルでは、あまり部分的な日照の変化を考える必要はないので、それよりも直列で電圧を上げて、低日照でも最低電圧を維持できるようにした方が発電効率がいいと思います。

電源とパネルの相関関係

次に、搭載するポータブル電源やバッテリーの許容入力電圧を調べてみましょう。これがソーラーパネルの導入を考える上で、とても大切なポイントになります。
例えばスアオキG500の場合を例に考えてみましょう。スアオキG500の入力電圧範囲は14ボルトから40ボルトとなっています。接続するソーラーパネルの電圧が14ボルトから40ボルトの範囲なら正常に充電できるということになります。ポータブル電源を選ぶ時は、必ずこの入力電圧範囲を調べることが大切です。


次にソーラーパネルの電圧を見てみます。うちが使っているパネルは18ボルトです。仮にパネルを2枚載せた場合、直列なら18×2=36ボルトとなり、並列なら18ボルトのままです。この値がポータブル電源の入力範囲内ならマッチングはOKということになります。
もし、パネルを3枚搭載しようと思うと、直列だと電圧は54ボルトになり、ポータブル電源の電圧許容範囲を超えてしまいますから、パネル3枚の場合は直列ではなく並列につないでやる必要があります。並列の場合、電圧は一定ですが流れる電流が3倍に増えるため、接続ケーブルは線径の太いものを別途用意しなければ、細いケーブルのまま大きな電流が流れるとケーブルが熱を持ち、最悪の場合発火してしまいます。


うちの場合、最初ソーラーパネル1枚から始めて、途中で1枚追加して現在パネル2枚で運用しています。2枚で晴天時150W程度、曇天でも60Wは発電できますから、1日の消費電力を十分補え、長期車中泊でも持続的な運用が可能です。パネル設置面積の問題もありますが、100Wのパネル2枚あれば十分ではないかと感じています。

その場合、ポータブル電源や充電コントローラー側の電圧許容範囲内に収まるのであれば、直列接続の方がメリットが大きいように思います。

その理由は、電圧を上げることで曇りや雨でも多少の発電が見込めるという点と、流れる電流が一定なので安全性が高いというのが大きいと思います。

皆さんの今後の参考にしていただければ幸いです。


ソーラーパネル関係について他にもいろいろと記事をアップしています。もしよろしければのぞいてみてください。
sleepysheep-zzz.hatenablog.com
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